
在ブラジル日本国大使館の林禎二大使が5月20日、サンパウロ市アクリマソン区にあるブラジル茨城県人会(飯田武光会長)の会館を初訪問し、墨絵のデモンストレーションを披露した。林大使は趣味の一環として墨絵を嗜(たしな)んでおり、茨城県人会で毎月第2土曜に行われている墨絵教室のことを聞き及び、県人会員たちの参考になればとの思いから実現した。
当日は午後7時前に林大使が茨城県人会館に到着。同県人会の飯田会長、書道・墨絵教室指導者の小林月仙氏をはじめ、墨絵教室会員など20人ほどが林大使を出迎えた。
飯田会長は「お忙しい中、茨城県人会に来ていただき、大変光栄です。来年は県人会創立65周年記念式典もあるので、ぜひ出席していただきたい」と歓迎の意を表した。
ブラジルで勤務して3年半になるという林大使は、中国勤務時代に墨絵を習い、これまでに約7年間にわたって継続。今年9月にはブラジリアでの展示会も予定しているそうだ。「書道や墨絵がサンパウロでも行われていることを嬉しく思います。ぜひ、若い人にも、こうした活動が広がってほしい」と期待していた。
指導者の小林氏は「35年ほど前から書道を始め、墨絵も30年くらいになります。県連主催の日本祭りには第1回目から(書道・墨絵の展示で)参加してきましたが、今日は大使にお会いできて夢心地の気分です。これを機会に、これからもどうぞよろしくお願いいたします」と喜んでいた。

引き続き、早速、林大使が墨絵のデモンストレーションを披露した。自身が持参してきた筆を使用しながら、墨絵の心得として「できるだけ単純に描くこと。墨のかすれを重視していること」などを説明。慣れた手付きで茶瓶と湯のみ、背景に梅の花を入れた作品を描き上げた。
その後、林大使自ら墨絵で描いた茨城県の県花である「バラの花」の額が飯田会長に贈呈され、小林氏からは自身の書道・墨絵作品集などが林大使に手渡された。
さらに、飯田会長手作りのスペイン料理「パエーリャ」が林大使をはじめ、出席者全員に振る舞われ、和やかな雰囲気の中で林大使との懇談も行われた。
