連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第100話

・二月十四日 宮崎からの中武、荒内両研修生のエアパス旅行。北伯を高野マルセーロ君、南伯を太田事務局長が案内した。
・四月三日 岩下鉄太郎先生来伯(イビウーナ市名誉市民)。
・四月二十日 傘のさし渡し五十㌢のお化けきのこがサウーバの蟻塚に生えた。重さにして十五㌔、皆はじめてみてびっくり。写真に撮ってサンパウロ新聞に投稿した。何人からか自分も昔食べたことがあると返事があった。近くの西川さんも食べた経験があって、おいしいから持って来いと言うので、ちょうど来伯中の岩下先生を連れてそのすき焼き会に出席した。おいしかった。普通のしいたけに似ているけど、独得のちょっときつい臭いがある。
・五月五日 剣道の岩崎先生(国士舘大学)を皆で旅費を出し合ってブラジルに招待した。
・五月十二日 悟のいない母の日の店のお手伝い。イビウーナのトメ子さんと孫二人も手伝った。
・六月九日 今里直美、瞳、省吾の七五三の祝い、エンブー市のHotel Terra Altaにて。
・六月一九日 大谷参雄(九十四才、橋詰レイカさんの父)がラッパで車にはねられ死亡。
・六月三十日 日韓共催ワールドカップ・サッカー大会で、ブラジル2Xドイツ0でブラジル優勝。
・七月二十八日 コチア青年先没者慰霊碑と下元さんとフェラース理事長の胸像を、コチア市の庭園に移転設置した。

 二〇〇二年(平成十四年)
・八月一日 サンジョアキンのアパートを八二〇〇レアイスかけて改修(ペドレイロはエスチリンゲ)。コーセン不動産を通じて月に四五〇レアイスで貸し出した(美佐子の名義)。
・八月十四日 南米浄土宗イビウーナ日伯寺起工式に参列。この寺の納骨堂の場所(箱)をたくさんのコチア青年仲間が購入した(三〇〇〇ドル)。
・九月十四日 習字展 美佐子は習字を習い始めてもう十五年位になる。今年八通り位の書き方で五段になり、これより上は準教師から教師となり、その上は師範。
・九月二十七日 電話線泥棒、治安悪化。九〇年以降得に危なくなった。アメリカ、日本、ヨーロッパと経済の冷え込み。ブラジルもドルが二・四○レアイスから四・〇〇レアイスに上がるとか。
・十月二十三日 悟が日本就労から一年一ヶ月ぶりに帰ってきた。二万㌦位持参。
・十月二十七日 ルーラ(イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ)大統領選ばれる。

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