連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第105話

・二月十五日 後藤慶さん、ブラジルの仕事を引き上げて、日本の本社に戻る。
 遥のピアノ発表会に参列した。
・二月十三日 成人ニコラスが急に熱を出して、吐いてSBCに入院。
・二月二十一日 研修生の永前君と鬼塚君を横山ジョニー君が引率、全伯エアパス旅行。
・三月一日 絵理子と遥と翔と小犬のチビがブラジルを引き上げて、後藤さんの後を追って日本に住むことになった。絵理子三十九才、遥八才、翔三才である。後藤さんは熊本の南九州コカコーラボトラーズの本社勤務となる。この度は日本永住となり、子供達も日本で教育を受けることになった。遥はブラジル在住中も日本の子供以上に日本語が出来たので日本に転校しても何の抵抗もなくなじめるだろう。
・三月六日 永六輔氏の講演会がイビウーナで行われた。
・三月十三日 ジョーナス・オリベイラは十四才から三十九才の現在まで二十五年間わが農場で働いて来た。五年位菊作りを家族と共に手伝った後、二十年間私と一緒にサンパウロのセアザで菊の販売で働いた。最後の五年位はほとんど彼一人に販売は任せていた位であった。それが菊の売れ行きが段々悪くなって、値段も下がり、シェッケ・セン・フンド(不渡り手形小切手)が何万レアイスにもなって、赤字経営になってきたので、この長い我が農場を退職することになった。あとは悟が販売を受け持つことになった。
・四月三日 今里隼(ケイの弟)が結婚した。黒木牧師の司祭(サントアマロ教会)。
・四月五日 ゴール車(アルコール)の新車を買った(ウーノ車を下取り)。全費用24.500レアイス。
・四月八日 子犬二匹(ユーカとクマ)をバルゼン・グランデより連れて来た。また、ピラシカバの高橋さんよりブルーを貰った。
・宮崎県人会五十五周年祭の地方カンパに北パラナ、バストス、マリリア、ピラチニンガ訪問。
・五月四日 コチア青年の森造成の指導者、橋本悟郎先生が国士舘訪問。
・五月十二日 県人会第二回地方カンパはスドエステ(南西)地方を私の車で四人で廻った。
・五月十六日 コチア青年の再婚西川忠雄と北村美知弥の結婚式(V・G会館)。
・五月二十五日 私のシチオでコチア青年の親睦会(バルゼン・グランデ)二十三名出席。
・五月二十六日 県人会第三回目の資金カンパは北聖のカンピーナス、イトビー、モコカ、カンブイー、ブラガンサ、アチバイアを廻った。

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