
【既報関連】リオ州イタペルナで発生した、14歳の少年が両親と3歳の弟を銃殺し、その遺体を自宅の地下タンクに遺棄した事件で、警察は、少年と共犯とみられる15歳の少女が暴力的なゲームや映画の影響を強く受けていたことを明らかにした。2人はネット上で交流を続け、犯行前には綿密な計画を立てていたとされる。この事件を受け、未成年による凶悪犯罪とデジタルコンテンツの関連性をめぐり、専門家や捜査当局の間で社会的監視のあり方が改めて問われていると1日付ヴェージャ誌(1)が報じた。
少年は6月21日の事件当日、家族が就寝中の深夜に父親名義の登録銃を用いて、両親と弟の頭部を撃ち抜き、即死させたとされる。遺体は自宅敷地内の地下タンクに投げ込まれ、証拠隠滅のため衣類や寝具の焼却も試みられていた。事件が発覚したのは4日後、家族の行方を案じた祖母が警察に通報し、家宅捜索が行われたため。室内には血痕や燃やされた物品の痕跡が確認され、敷地内から漂っていた異臭が決め手となり、地下タンク内から3人の遺体が発見された。
少年は当初、家族が失踪したと説明していたが、証拠を突きつけられると一転して犯行を自白。事件の計画には、マット・グロッソ州に住む15歳の少女が深く関与していたことも判明した。
2人は6年にわたりオンライン上で交際関係にあり、親によって面会が禁じられたことが犯行の引き金になった。事件当夜も通信アプリを通じて頻繁にやり取りを続け、少年の行動を少女がリアルタイムで指示していた。やり取りの中には、遺体の処理方法や逃走経路に関するやりとりに加え、少女が自身の母親や少年の祖母の殺害について言及する場面もあったという。
捜査によると、2人は暴力的コンテンツに強い関心を寄せており、少年はSNS上で「ジョン・ウィック」の名を冠した偽名アカウントを使って少女と連絡を取り合っていた。ジョン・ウィックは同名の映画で俳優キアヌ・リーブスが演じた殺し屋のキャラクターだ。
別のプラットフォーム上では、少年が映画『少年は残酷な弓を射る(We Need to Talk About Kevin)』の登場人物ケヴィンに捧げた動画を投稿していた。この映画は主人公の少年が校内で大量殺人を犯す物語だ。
さらに警察は、2人が『アンディとレイレイの棺(The Coffin of Andy and Leyley)』という心理ホラーゲームの愛好者であった事実を明らかにした。これは、近親相姦関係にある兄妹が悪魔と契約を交わし、自らの両親を殺害し、さらに人肉を食すという極端な筋書きを持つ作品。2人の間で交わされたメッセージには、彼らがゲーム内のキャラクターに強い共感を抱いていた様子や、そのストーリーについて詳細に議論していた形跡が示されている。
事件を担当するカルロス・アウグスト・ギマランエス警部によれば、鑑識によって分析された資料群は、本件における犯罪の計画性を裏付けるもので、2人が共有していた仮想空間上の日常において暴力性、操作性、死に関する象徴性が際立っていたという。同警部は「少年が暴力的なコンテンツに日常的に晒されていたことが認められる。我々は、若年層がSNS上でどのような行動を取っているかを常時監視する必要がある」と述べた。
現在、少年は拘留中であり、殺人および死体遺棄に相当する非行事実について、少年司法手続において責任を問われている。交際相手の少女についても麻州で身柄を確保された後、仮収容措置がとられている。
警察は今後、精神鑑定や動機の解明を含む追加捜査を進める方針で、少年少女の接触していたデジタルコンテンツとの関連性についても分析を進めている。