《ブラジル》糖尿病患者増加、世界6位=1日に66人が足を切断

血糖値の検査(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 「糖尿病の日」の26日、国際糖尿病連盟(IDF)が昨年のブラジルの糖尿病患者は1570万人で、世界で6位、ラ米では1位と発表したと同日付現地サイトが報じた。
 世界では20~79歳の人口の10・5%にあたる5億3700万人が糖尿病だ。ブラジルの患者は2045年までに2320万人に達する見込みだという。
 糖尿病は大きく分けて2種類ある。1型は自己免疫型疾病で、ある瞬間からインスリン生産が止まり、空腹や喉の乾き、体重減少、かすみ目、尿道や性器の感染、体の痛みなどの症状が強く出るが、症状はインスリンで速やかに改善する。
 2型は体重増加などが引き金となって徐々に進行。自分では症状に気付いていない事が多い。また、血液検査などで指摘された時は発症から数年が経っていたという例も少なくない。
 2型と診断される前に受けた血液検査や血糖値の検査で糖尿病の前段階と診断された場合は、本当に糖尿病とならないように投薬が行われる。
 また、親が糖尿病で肥満気味の人が妊娠した場合、妊娠26~28週で糖尿病を起こす事があり得る。妊娠中の糖尿病やそれを患っている人が妊娠した場合は妊婦や胎児に悪影響をもたらす事が多いので、きちんと治療を行う必要がある。
 糖尿病である事が判明した場合や前段階と診断された場合は、炭水化物を減らし、野菜やタンパク質が豊富な食事を取ると共に運動を行うなど、生活習慣を見直し、血糖値の管理、コントロールを心がける必要がある。
 ブラジル脈管外科学会(SBACV)によると、ブラジルでは2012~21年に24万5811人が足(膝や足首から下)または脚(腿から下)を切断しているが、その大半は糖尿病患者だという。この数は1日に約66人、1時間で約3人が足を切断している事を示す。糖尿病患者は視力の低下や失明の可能性もあり、継続的なケアが必要だ。

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