
オ・グローボ紙7日付(1)によれば、米国から27年間の不法滞在を経て最近に強制送還されたブラジル人、ルイス・ファビアーノ・ダ・シルバが、リオデジャネイロで開催されたレディー・ガガの無料コンサート中に爆弾テロを計画していたとして再逮捕された。警察によれば、彼は日曜日に銃の不法所持で現行犯逮捕されるも数時間後に保釈。翌日の聴聞会を欠席したため、裁判所は逃亡と証拠隠滅の恐れがあるとして再逮捕を命じた。ファビアナ・パゲル判事は「本件のような憎悪に基づく計画には自由を制限する措置が必要である」と述べている。
同紙6日付記事によると、テロ計画があることはショーの10日前4月24日に、警察の情報機関により把握されていた。その後、匿名通報ダイヤル「Disque-Denúncia」やリオ市治安支援センター「Civitas」など複数の情報源から通報が相次ぎ、警察が捜査を開始。関係先15カ所を一斉に捜索し、「フェイク・モンスター作戦(Operação Fake Monster)」と名付けた対策が講じられた。
グループは主に若者を中心に構成され、通信手段としてはDiscordが使われていた。通信内容にはLGBTQIA+への敵意や暴力的思想が含まれており、爆弾をリュックに仕込んで群衆を狙うという計画も浮上していた。
警察は、44歳の主犯格の男ルイス容疑者をリオ・グランデ・ド・スル州で、また17歳の少年をリオ市内で拘束した。未成年の関与やインターネットを通じた若年層への勧誘も確認されており、事件の背景にはネット上の有害コミュニティの存在があると見られる。
リオ州警察のフェリペ・クリ局長によれば、容疑者たちは手製の火炎瓶や即席爆発物を用いてLGBTQIA+の観客を標的にする計画を進めていた。ショー当日には210万人以上がコパカバーナ海岸に集結したが、警察の事前介入により事件は未然に防がれた。
捜査当局は8人を容疑者として特定し、押収したスマートフォンやノートパソコンの鑑定を進めている。今後の分析結果によっては、さらなる摘発やネット上の過激思想ネットワークの解明が期待されている。
本件は、社会的マイノリティへの偏見がいかに過激な行動へと発展しうるかを示す象徴的な事件となった。判決文でも「差別的思想の拡散は、社会的排除と暴力を助長する」と明記されており、今後の再発防止にはSNS上での監視強化と早期警戒体制の整備が急務となっている。(2)