

「I love Japan」「神に感謝します!私に良くしてくれ、特別な時間を過ごさせてくれて。この国を愛しています!」と日本についてSNS投稿していたブラジル人女性アマンダ・ボルジェス・ダ・シルバさん(30歳)が5月1日、帰国するために成田空港へ向かう数時間前に、千葉県成田市で死亡しているのが発見された事件で、千葉県警成田署は3日、現住建造物等放火の疑いでスリランカ国籍の無職、アベースリヤ・パタバディゲ・パトゥム・ウダヤンガ容疑者(31)を逮捕した。
アマンダさんの遺体が発見されたのは、彼女が成田国際空港発の帰国便に搭乗する数時間前であった。若い女性の遺体には重度の火傷と煙による窒息の跡があり、死因について疑問が生じている。警察は事件前に彼女が薬物を投与されていた可能性を調べていると報道されている。
5日付オ・グローボ紙サイト記事(1)によると、ゴイアス州出身のアマンダさんは韓国を訪れたあと、大好きなF1を観戦するために4月に日本を訪れていた。新幹線に置き忘れた荷物がお金も含めてそのままホテルに届けられたことに感銘を受け、亡くなる前日に母親にかけた電話で「日本にいると安心できる」と語っていた。
NHKなどの報道によれば、容疑者は5月1日午前9時10分ごろ、成田市本三里塚にある2階建てアパートの自身の居室内で火災が発生したにもかかわらず、火を消さずにその場を立ち去った疑いが持たれている。その焼け跡から遺体が発見された。容疑者は警察の取り調べに対して「火を消そうとしたが、できずにパニックになって現場を離れた」と供述しているという。火はその後、壁や天井にも延焼し、建物は大きく損傷した。
4日付オ・グローボ紙(2)によると、火災現場からはアマンダさんの携帯電話、バッグ、宝飾品、電子機器などが持ち去られていたが、身元確認に役立つ書類が入ったバッグは現場に残されていた。被害者のいとこであるチアゴ・ゴメス氏はMais Goias紙に対し、アマンダさんが死亡前に薬物を盛られていた可能性を指摘している。
5日付エスタード紙(3)によれば、この若い女性はサンパウロ市在住で、ゴイアス連邦大学(UFG)で言語学の修士号を取得した。彼女の家族は遺体の移送費用を賄うために資金協力を呼びかけている。親族によれば、費用は約5万5千レアルだという。