《ブラジル》4州都でUTI使用率80%超=オミクロン急増で検査資材不足=待望の小児ワクチン到着

13日未明に到着した小児用ワクチン(Alex Sandro/TV Brasil)

 【既報関連】オクミロン株の出現と年末年始の人出が重なった新型コロナの感染者急増で、検査キットの不足が深刻化し、対象を重症者や医療関係者に制限するよう訴える声が出始めた。また、入院者急増で医薬品などの不足も表面化していると12、13日付現地紙、サイトが報じた。
 検査キット不足に対する警告はブラジル診断医学協会が出した。オミクロン株による感染急拡大は世界規模で、13日の感染者は360万人を超えた。ブラジルでも11日は7万765人、12日は8万7471人増えた。12日の感染者中1万2千人はリオ州だ。
 また、12日現在の感染者の7日間平均5万2261人は、3週間前(12月22日)の17倍で、昨年7月2日の5万2101人を超えた。観察中の感染者は40万2496人(感染者総数の1・8%)で、2週間前の約6倍に増えた。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)は12日、ペルナンブコ州とフォルタレーザ、レシフェ、ベロ・オリゾンテ、ゴイアニアの4州都は10日現在の集中治療室(UTI)使用率が80%以上で警戒レベルと発表。連邦直轄区とトカンチンス、パラー、ピアウイ、セアラー、バイア、エスピリトサント、ゴイアスの各州、ブラジリアと、ヴィトリア、ポルト・ヴェーリョ、マセイオー、マカパー、サルバドールの各州都は60~70%で要警戒レベルだ。

PCR検査(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 ワクチン接種進展もあり、オミクロン株感染者は軽症者や無症状者が多いが、年末年始は検査を受ける人の急増で検査キットが尽きた薬局も出た上、陽性率も急伸。世界的な需要増でキット不足が深刻化すれば、広範囲にわたって検査不能となる「検査のアパガン」が起こり、実態把握がより困難になる。
 ケイロガ保健相は年末年始の人出増が感染者急増の原因としてオミクロン株の影響を過小評価したが、感染者のサンプル解析に占める同株の割合は98・7%に達している。
 感染者や入院者急増とインフルエンザ流行で医療従事者や医薬品不足も深刻化。防疫対策を強化する自治体が増えている。
 なお、13日に到着した5~11歳児向けワクチン120万回分は13~14日に各州に配られる。サンパウロ市やリオ市は17日に同年齢層への接種開始と明言し、日程表も発表した。
 なお、12歳以上へのワクチン接種は初回から補強接種までが継続して行われている。

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