
6月18日の「ブラジル日本移民の日」、誠におめでとうございます。
本年4月の定例総会にて日伯文化連盟「アリアンサ」の理事長を拝命いたしました竹田クラウディオ勇と申します。
最初の移民船「笠戸丸」がサントス港に到着してから117年ということですが、日本とブラジルの友好関係はもっと長く、本年は日伯外交関係樹立130年の節目でもあります。この記念の年に秋篠宮佳子内親王殿下がブラジルへお越しになり、歓迎できることはブラジル日系コミュニティにとって光栄の至りにございます。
ご存じの方も多いと思いますが、アリアンサの初代理事長は詩人王子とも呼ばれていたブラジルの知識人、ギリェルメ・デ・アウメイダです。1954年にはサンパウロ市制400周年のお祝いがあり、そのかけがえのない遺産として、イビラプエラ公園日本館、日伯文化福祉協会、弊日伯文化連盟などが生まれました。そしてアリアンサは創立以来、日系人コミュニティのみならずブラジル社会全体に向けて日本語の教育や日本文化の発信をして参りました。
先人たちが築き上げてきた日本人の信頼や知識、価値観を守り、さらにブラジルとの交流によって育まれたニッケイ文化を益々普及させていくことが新理事会に与えられた使命だと、身の引き締まる思いでおります。
多くの方々のご尽力により、日本文化はブラジル社会に浸透し、和食や漫画、アニメなどはすっかり定着し、日本文学や映画、和楽器などの動きも日進月歩で大きくなっています。また、多くの日系人の方々が政治、経済、医学、法曹、報道、技術、科学、教育、芸能、スポーツなど様々な分野で活躍しています。
その中で、私共としては、やはり今こそもっと多くの方に日本語を学習、習得してほしいと願います。日本語の美しさ、表現の豊かさ、面白さ。日本の「ことば」の奥深さに触れることにより、日本人の他人を思いやる心などが身に付きます。日本の心を少しでも良く理解しようとするために、日本語の習得は我々日系人や親日ブラジル人にとって避けては通れぬ道だと信じております。
ブラジル全土の日系団体と手を携え、ブラジルの文化の多様性をリスペクトしつつ、この国における日本の文化をさらに確固たる位置へと押し上げていくよう精進する所存にございます。
日本とブラジルの友好関係が未来永劫続き、世界全体にもよき影響を与えていくことを祈ってお祝いの言葉とさせていただきます。