
ブラジルにおける「日本移民の日」を迎えられたことに、心からお祝いを申し上げます。
1908年6月18日、最初の日本人移住者を乗せた笠戸丸がサンパウロのサントス港に到着しました。以来、日本人移住者や日系人の皆様は、幾多の困難に直面しつつも、これを乗り越え、ブラジル社会に大きく貢献し、信頼を勝ち得てこられました。その皆様の御努力とこれまでの歩みに深く敬意を表します。
本年は、日ブラジル外交関係樹立130周年という記念すべき年です。両国は、長年にわたる友好協力関係を有し、価値や原則を共有する戦略的グローバル・パートナーです。その両国の緊密な友好関係の重要な土台となっているのが、世界最大である約270万人の日系社会という人と人との特別な絆です。また、日本には約21万人のブラジル人が暮らし、両国の架け橋として良好な日・ブラジル関係の礎を築いています。
私自身、昨年10月の第64回海外日系人大会の際に開催したレセプションで、日系人の方々と直接お話しする機会を得ました。日系人の皆様がブラジルをはじめとする各国で活躍され、日本との架け橋となっておられることを実感し、日系社会との連携強化の重要性を改めて強く感じました。また、本年2月には、G20外相会合の際に、ヴィエイラ・ブラジル外務大臣と会談を行いました。ヴィエイラ大臣とは、環境・気候変動分野において、「日・ブラジル・グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ」の下で協力を推進していくとともに、本年ブラジルが議⾧を務めるCOP30の成功に向けて協力していくことや、ブラジルの推進する劣化牧野回復も含め、引き続き二国間協力を推進していくことを確認しました。
外務省として、若い世代を含む中南米の日系社会のネットワーク作りや日本と日系社会の交流を支援するとともに、各地の皆様と日本との間の連携を一層推進してまいります。若い世代の交流の観点から、本年3月にルーラ大統領が国賓として訪日された際、ワーキング・ホリデー制度導入についての協議を進めることでも一致したことは意義深いと考えております。
結びに、ブラジル日系社会の更なる発展と、日本人移住者と日系人の皆様の御多幸と御健勝を心より祈念申し上げます。