【ブラジル日本移民115周年記念特集】「日本移民の日」を祝して=外務大臣 林芳正

林大臣(外務省提供)

 6月18日の「移民の日特別号」発刊に際して、ブラジルにおける「日本移民の日」に思いを馳せ、日本人移住者、日系人の皆様に心からお祝い申し上げます。

 1908年6月18日、最初の日本人移住者を乗せた笠戸丸がサンパウロのサントス港に到着してから本年で115年を迎えます。日本人移住者及び日系人の皆様が、これまで勤勉に努力を重ね、ブラジル社会の信頼を勝ち得て、ブラジルの発展に大きく貢献されて来られたことに改めて敬意を表します。
 日本とブラジルは、長年にわたる友好協力関係を有しており、価値と原則を共有する戦略的グローバル・パートナーです。その両国の緊密な友好関係の重要な土台となっているのが、世界最大である約200万人の日系社会という特別な絆です。
 様々な分野で御活躍されている日系人の皆様は日本とブラジルの友情の架け橋となっています。私自身、学生時代や商社に勤務していた際、日系人の皆様がブラジル社会に根付いて大変活躍されている様子を拝見し、非常に感銘を受けました。外務大臣としても、本年1月にブラジルを訪問し、多くの日系人の方々と意見交換を行うとともに、移民の歴史にゆかりのある場所を訪れ、皆様からとても温かく歓迎いただきました。
 また、ヴィエイラ・ブラジル外務大臣とはその後も連携を続け、G7広島サミットの際にも外相会談を行いました。両国外相間では、世界最大のブラジル日系社会と在日ブラジル社会が、両国の重要な架け橋であるとの認識を共有した上で、日系人を通じた協力を強化していくことを確認してきています。
 日本外務省は、若い世代を含む中南米の日系社会のネットワーク作りを支援するとともに、中南米の日系人の皆様と日本との間の連携を一層推進するため、本年1月、新たに「中南米日系社会連携推進室」を設置しました。この推進室を中心として、ブラジルを含む中南米の日系社会と日本との絆をより強固にするための様々な施策を実施すべく取り組んでいく考えです。
 最後に、ブラジル日系社会の更なる発展と、日本人移住者と日系人の皆様の御多幸と御健勝を祈念申し上げます。

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