《サンパウロ州》未接種者の死亡率は26倍=死亡や重症化防ぐ効果確認=妊婦の職場復帰認める法発効

コロナ前と変わらないほど人が増えた街中(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 サンパウロ州保健局が14日、新型コロナのワクチン接種の有無が死亡率に大きく影響していると報告したと14、15日付現地紙、サイトが報じた。
 同州保健局が集計、解析したのは、オミクロン株による感染拡大が起きた21年12月5日以降、2月26日までのデータだ。
 保健局はこの期間中の死者7942人を、ワクチン接種を受けていない未接種者、1度だけ受けた接種未完了者、2度または1度でよいワクチンの接種を受けた接種完了者の三つのグループに分け、死亡率を確認した。
 その10万人あたりの死者(死亡率)は未接種者が332人、接種完了者が13人、接種未完了者は22人だった。各グループの死亡率を接種完了者と比較すると、未接種者の死亡率は25・5倍、接種未完了者も69%増だった。
 サンパウロ州の接種対象者は約4320万人で、既に1億回分以上のワクチンが使われたが、約71万7千人はまだ、1度も接種を受けていないという。 

新型コロナで入院している人々(未接種者の死亡率は接種完了者の26倍と報じる14日付フォーリャ紙電子版の記事の一部)

 州予防接種計画コーディネーターのレジアネ・パウラ氏は、サンパウロ州では対象人口のほぼ90%がワクチン接種を完了しているとした上で、感染力が強いオミクロン株が猛威を振るう中でのデータは、ワクチン接種がコロナ禍に対応するための鍵である事を明確に示していると結論付けた。
 同州では1月にも、感染症への対応で知られるエミリオ・リバス病院が、集中治療室の入院者の76%は未接種者か接種未完了者と発表している。同病院では、新型コロナへの感染者か擬似症の集中治療室入院者50人中38人は未接種者か接種未完了者だった。これらのデータは、ワクチン接種に重症例や死亡例を防ぐ効果がある事を示している。
今月からは、ワクチン接種を受けた妊婦が職場に復帰する事を認める法律も発効となった。同法では接種未完了者は在宅勤務を継続する事や、接種を受けたくないという妊婦が職場復帰を望む時は、責任は自分にある事を認める文書に署名する事などを定めている。
 この法律は感染すると重症化しやすい妊婦を守るために在宅勤務を命じた法律を補うもので、接種後の妊婦も在宅勤務とするか否かは雇用主が決められる。

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