《ブラジル》デルタクロン株は「確認中」=保健相が言い直し=2度目の補強接種開始

予防接種計画について語るケイロガ保健相(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ケイロガ保健相は15日、「ブラジルでもデルタ株とオミクロン株から発生したデルタクロン株感染者を確認」との発言を翻し、「まだ確認中」と言い換えた。G1サイト16日付などが報じている。
 大臣は「(デルタクロン株とみられる)ウイルスの全塩基配列は、フィオクルス研究所によってあと数日で完了する」と説明し、それをもって確認できると言い直したと報道されている。
 専門家は4回目の接種の前に、未接種者や接種未完了者を探し、集団免疫を強化する事が大切と強調。また、デルタクロン株の流行抑制には補強接種と閉鎖空間でのマスク着用義務の継続が必要としている。
 だが、ブラジルでは、マスク着用義務解除の動きが続き、連邦議会も義務を解除した。
 ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事が16日、第1回目の補強接種から4カ月以上経った80歳以上の人に対する新型コロナの補強接種を21日から開始すると発表したと16日付現地サイトが報じた。
 現時点では2回目の補強接種(別名は4回目の接種)の対象は、ガン患者や臓器移植後の人などの免疫力が特に低い人だけだが、サンパウロ州では以前から4回目の接種の対象を全年齢層に広げると公言していた。今回の発表では、従来は4月からとしていた補強接種が前倒しされた。

 2回目の補強接種は、国家衛生監督庁(Anvisa)が承認し、接種会場にあるワクチンならどれでもよいという。Anvisaが認めたワクチンは、コロナバック、ファイザー社製、アストラゼネカ社製、ヤンセン社製の4種だ。
 ドリア氏によると、21日からの補強接種の対象となる80歳以上の人は約90万人で、1回目の補強接種(3回目の接種)から4カ月以上経っている事が条件となる。
 サンパウロ州はブラジルで唯一、2回の接種(ヤンセン社製のワクチンなら1回)を受けた接種完了者が接種対象となる人口の90%を超えるという、世界保健機関(WHO)の目標を達成した州だ。
 ドリア氏は、サンパウロ州を国に例えれば、世界で3番目にWHOの目標を達成した国となるとして、ワクチン接種が前進している事を強調した。

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