
【沖縄発】沖縄に留学経験のあるブラジルの沖縄県系人らでつくる「うりずん会」が13日(日本時間14日)、「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」に参加し、ブラジルから戦没者の名前を読んだ。海外の県系人の団体参加は初めて。
同県糸満市摩文仁にある平和の礎には、沖縄戦などで亡くなった人の名前を、国籍を問わず24万人余り刻銘している。その名前をすべて読み上げる市民運動は今年で4回目。インターネットで県内外を結び、6月1日から23日の慰霊の日までの23日間続く。
同会は県費留学生や研修生のOBらが1995年に発足させ、現在の会員は約200人。元会長で、今年3月まで沖縄で歴史などを学んだ社会学者の3世松本カリナ沙登美さん(36)がブログなどで参加を募った。
この日は6人が500人の名前と年齢を読んだ。最初の自己紹介はポルトガル語だったり、うちなーぐちだったり。それぞれのルーツとなる地名を挙げた。
約40分かけて読み上げた後、松本さんは「500人を読むだけでこんなに時間がかかり、24万人という数字がとても多いものだと改めて気付いた」と述べた。ほかの参加者も交えて「同じ名字の人が並んでいると、家族みんなが亡くなったのかもと思い、とても悲しかった」などと感想を語り合った。(取材・宮沢之祐)