
サンパウロ州議会アンドレ・フランコ・モントロ講堂で18日(水)夜7時から、ブラジル日本移民117周年記念式典が盛大に執り行われた。アンドレ・ブエノサンパウロ州議が発起人となり、在サンパウロ日本国総領事館とブラジル日本文化福祉協会(文協)との共催で実現した。
開会挨拶に立ったブエノ州議は「記念すべき日を、こうして皆様と祝えることを大変光栄に思います」と述べ、第1回移民船笠戸丸の歴史を振り返り、日本移民が規律、尊敬、勤勉、家族への愛、未来への希望といった貴重な価値観を携えてきたことに言及し、その到来がブラジルの歴史を変え、両国間に安定した信頼関係を築いたことを強調した。
ブエノ州議は「本日、私は少なくとも5回『アンドレさん』とさん付けで呼ばれました。異邦人の私がこんなことを言うのは恐縮ですが、この喜びと光栄は計り知れません。先人たちに敬意を表すために州議会の扉を開くことができたのは大変な名誉」と語り、「この言葉は事前に準備したスピーチではなく、日本を愛する心から生まれたものです。ブラジル万歳!日本万歳!」と力強く締めくくった。

移民の歴史と文化の継承における州政府の役割について問われたブエノ州議は「公的機関は、博物館、記念碑、広場や通りの名称などを通じて、築き上げられてきた全ての記憶を常に記録する義務があります。移民がかつて経験した『いじめ』は今では存在せず、彼らは社会に完全に受け入れられています。我々はこれらの障壁を乗り越えました」と述べ、立法措置や記念活動の重要性を強調した。
日本文化と日系社会との個人的な関係について「私の初めての仕事は14歳の時、日本人と共同経営する会社でした。それが私と日本文化との関わりの始まり。親戚が日本人と結婚し、現在も私のビジネスパートナーは日系人で、日本企業とも取引があるため、彼らがもたらす価値観に深い敬意を抱いています」と長年にわたる深い繋がりを明かした。
清水亨総領事は、州内の地方都市を訪問した際に目にした祖先たちが遺した価値観、技術、日本の伝統の重要性を語った。「昨年、ブエノ議員の主導でサンパウロ州議会に『伯日議員連盟』が設立されました。その後『今年は外交130周年なので、ぜひここでお祝いをしよう』という話をいただきました。このような祝賀会が開催できたことは非常に大きな意味があったと思います」と述べた。
柳沢勇人ブラジル日本商工会議所副会頭は、日伯関係をより企業的な視点から論じ、「両国の間の強固で良好な関係のおかげで、日本企業はブラジル市場で広範な機会を享受していることを強調したい」と述べ、両国の経済協力の重要性を力強く語った。
ブラジル日本文化福祉協会の西尾ロベルト会長は、初期移民が経験した困難に触れ、13歳で養女として単身渡伯した祖母の名を挙げ、すべてのパイオニア移民とその子孫に敬意を表した。州議会との連携の重要性について「ブエノ議員の今回のイニシアティブは大変重要。これまで政治的な関係が不足していました。日系コミュニティは規模が大きいにもかかわらず、州議会には日系人議員が2名しかいません。ですから非日系議員との連携を深めることで、私たちのコミュニティは大きく成長できると確信しています」と述べ、政治的連携が日系社会発展に不可欠であるとの見解を示した。
式典の締めくくりにはブラジル空手連合会インター流派連盟による迫力ある空手演武と、琉球國祭り太鼓による沖縄の伝統的な太鼓演奏が披露され、祝祭の夜に華を添えた。
式典にはラケル・ガリナチサントス市公安長官、ルイス・カルロス・ヒロキ・ムタ連邦控訴裁判所第3管区長官、伊藤ケンジサンパウロ市議ら多数の要人が出席した。