ルーラ、バイデン氏と年内に会談=米国代表は来週ブラジルに=背後に政権移行への懸念

バイデン大統領(中央)(Simon Walker/Number 10 Downing Street)
バイデン大統領(中央)(Simon Walker/Number 10 Downing Street)

 ルーラ次期大統領(労働者党・PT)が来年1月1日の就任を待たず、年内に米国まで行ってバイデン米大統領と会談を行うことが有力視されはじめている。その背後には、米国の伯国の政権交代への懸念が存在する。1、2日付現地紙、サイトが報じている。
 ルーラ氏が就任前にバイデン大統領と会うかもという話は、ルーラ氏の後継者と目され、次期財相候補でもあるフェルナンド・ハダジ氏が11月30日に宿泊先のブラジリアのホテルを出る際に記者団に明かした。
 ハダジ氏は、「大統領選に当選して以来、国際的な投資家たちの関心が高まっている。そのことはエジプトやポルトガルに行った際にも示されたはずだ」と語っている。
 ルーラ氏は11月、エジプトで開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に参加し、多くの国の代表から歓待を受けた。環境問題でのスピーチも好評を得ている。また、帰りにはポルトガルのマルセロ・レベロ大統領、アントニオ・コスタ首相との会談も行っている。
 ポルトガルのリスボンでの会合には、アルゼンチンのフェルナンデス大統領も同席していた。同大統領は大統領選決選投票の翌日にサンパウロ市にいたルーラ氏をいち早く訪れており、その時に、「ルーラ氏は自宅のような存在でもあるブエノスアイレスにやってくる。我々は過去より未来を話す必要がある」と年内のアルゼンチンでの会談を示唆している。
 ルーラ氏は決選投票当日やその翌日、世界各国の首脳から当選を祝う電話を受けているが、バイデン大統領はその中でも最も早く電話をかけてきた。それ以来、米国政府側も早い時期にルーラ氏との会談を希望する言動を行ってきた。5日はジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官、フアン・ゴンザレス南米問題補佐官がブラジルを訪れる予定となっている。
 米国側がこのような姿勢を見せているのは、ブラジルの政権交代の過程に不安を抱いているためだ。同国ではバイデン氏の大統領就任直前の2021年1月6日に、トランプ前大統領の支持者たちが連邦議事堂を襲撃する事件が起きた。ボルソナロ大統領が熱心なトランプ氏支持者であることや、大統領選後にボルソナロ氏の支持者たちが抗議活動を続けていることは米国政府も知っており、ルーラ氏が次期大統領であることを国として認める姿勢を早い時期から示そうとしている。
 当初は19日の予定だったルーラ氏とアルキミン氏の正副大統領当選を認めるディプロマ(認証)授与式が1週間前倒しされ、12日になったことは、こういった事情も加味した可能性がある。ルーラ氏は2日、閣僚名の発表や米国訪問は認証式後と発言。バイデン氏との会談では民主主義などについても語り合う意向だという。
 ハダジ氏は、ルーラ氏が中国政府からも招へい状を受けていることを明かしているが、こちらに関しては、「年内にそこまでやる時間があるかどうか」との見解を語っている。

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