文協・仏連=参列100人、先人の遺徳偲ぶ=移民の日、開拓先亡者追悼法要

 ブラジル日本文化福祉協会(文協)とブラジル仏教連合会(仏連)は18日午後2時、「ブラジル日本移民117周年開拓先亡者追悼法要」をサンパウロ市リベルダーデ区の文協ビル大講堂で行った。約100人が参列し、先人の遺徳を偲んだ。

開拓先亡者追悼法要の様子
開拓先亡者追悼法要の様子

 法要は釈尊讃仰会の山本逸雄会長の開会の辞で始まり、導師を務める梶原マリオ仏連会長ら13人の各宗派代表僧侶が登壇。仏連コーラス部や茶道裏千家などによる献楽、献茶、献花が行われた。
 追悼の辞を西尾ロベルト文協会長、清水亨在サンパウロ総領事、宮崎明博JICAブラジル事務所長、菊地義治サンパウロ日伯援護協会名誉会長、谷口ジョゼ眞一郎ブラジル都道府県人会連合会会長が述べ、各宗代表焼香と読経、参列者による焼香が行われた。
 梶原会長による挨拶の後、本門仏立宗のコレイア教伯ブラジル教区長の法話では、開導聖人(日扇聖人)が法華経や日蓮の教え、信心や奉公の心得を短歌形式で示したご教歌を一つ紹介し、「先月新しい中央寺院本堂の開堂式をさせてもらった際、参列されたあるご婦人から『仏やご先祖に傷をつけてはなりません。全くお金はないがなんとか寄付をします』と言って本当に寄付してくださいました。まさにご教歌にある心を実践くださいました」と喜びの報告をした。
 最後に、中野明美ブラジル仏教婦人会連盟会長が閉会の辞を述べ閉会した。
 梶原会長は「平日の忙しいところ参列いただいた方々に感謝を申し上げたい。日系社会が今後も仏教の御教えの中で平和と喜びの社会を作り上げていくことを願っています」と語った。
 西尾文協会長は「法要は先人の遺徳を偲び、その歴史を受け継ぐきっかけとなる日系社会にとって重要な行事。今回は若い世代の参列者が少なく、その重要性を伝えきれていないことを改めて実感した。文協として改善に取り組みたい」と述べた。
 参列した山本綾子さん(83歳、2世)は「移民の歴史を次世代に伝え、先人を慰霊する法要はとても意義のあること。時代の変わり目で大変だろうけど今後も続いてほしいです」と語った。

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