サンゴンサロ教会=先駆者慰霊ミサで世界平和祈る=「血管に先駆者の想い流れている」

移民の日のミサの様子
移民の日のミサの様子

 ブラジル日本文化福祉協会(文協)と日伯司牧協会は18日午前8時、日伯友好130周年と日本移民の日117周年を記念した先駆者慰霊ミサを、サンパウロ市セントロのサンゴンサロ教会で行った。ミサには約50人が参列し、先人たちへ感謝と哀悼の意を捧げた。
 ミサの進行は日ポ両語で行われ、司祭を務めた尾島紀代治神父は、「次々に戦争が起きて、世界中が不安な気持ちの中にいる。亡くなったフランシスコ教皇は昨年、今年を『聖年』に定めて希望の巡礼者という讃歌を広めており、現教皇もそれを進めています。平和のための努力を重ねましょう」と前置きし、自分の二の腕を指差しながら「我々の血管には先駆者移民の苦労と想いが流れている。平和を常に希求していたであろう先駆者の想いを頭に置きながら、移民史の重要性を思い返す日にしましょう」と呼びかけた。
 尾島神父(76歳、2世)はマットグロッソ州での布教活動を経て1999年から2010年まで日本に派遣され、広島教区の教会で活動してため日本語が大変堪能。
 ミサでは聖歌、奉納の儀などが行われた。共同祈願で山下譲二文協評議員会長は「教皇レオン14世は、全世界に向けて呼びかけています。兄弟愛を持ってお互いに愛し合い、ことに困難に出会っている人々、住居、仕事、家庭、健康などに恵まれない方の立場を理解し、手を差し伸べあうことができますように、主に祈りましょう」、谷口県連会長は「神様のおかげで今日、我々はブラジル発展に大いに貢献してきた日本移民の117年を祝っている。さらに我々の声をお聞きください」などとの願いを述べた。参列者は手をアルコール消毒してから聖体拝領した。
 当日は山下氏に加え、西尾ロベルト文協会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の谷口ジョゼ会長、日伯文化連盟役員の藤永カルロス氏らも参列した。

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