【6日の市況】ヴァーレとペトロブラスの下落にもかかわらずイボベスパが1%強上昇=ドルも1.14%下落して6.11レアルに

 ブラジルの快挙! 女優フェルナンダ・トーレスが国際的なマスコミから「今年の最優秀女優」に選ばれ、史上初のゴールデングローブ賞を受賞したという驚きのニュースが昨日舞い込んできた。一方、ブラジル株式市場でも驚きの展開が。イボベスパ(IBOVESPA)は1.26%の上昇で120,021.52ポイント、前日比1,488.84ポイントの上昇を記録した。これは11月22日の1.74%上昇以来の好パフォーマンスだ。また、商業ドルも1.14%下落して6.11レアルとなり、将来金利(DI)も全曲線で下落するなど、金融市場は追い風を受けた。
 このイボベスパの上昇は、外国からのニュースが一因とされている。ワシントン・ポストの報道によれば、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプの補佐官たちが、特定の重要な産業の輸入品にのみ関税を課す計画を検討しているとのこと。これが貿易政策の穏健化と受け取られたが、トランプ氏自身はこの報道を否定した。
 次期大統領の否定的な発言にもかかわらず、市場は楽観視した。ヨーロッパ市場はこの仮説の影響で上昇し、ドイツの12月の暫定インフレ率が加速する日でも利益を上げた。米国市場もNvidiaの牽引で上昇を記録した。一方、カナダではジャスティン・トルドー首相が10年間の任期を経て辞任を表明するなど、世界的なニュースが相次いだ。
 一方、ブラジル国内に関して、イボベスパの好調が全て外国ニュースに起因するわけではない。フェルナンド・ハダジ財務相が「ブラジルの為替制度を変更する計画も、税金を引き上げる議論もない」と明言したことも、安心材料となった。さらに、ハダジ財務相とルーラ大統領が共に休暇を返上して問題に取り組む姿勢を示したことが、マーケットには安堵感を与えた。

ヴァーレとペトロブラスの下落にもかかわらず明るい1日

 ただし、すべてが順調というわけではなかった。中国の鉄鉱石価格の下落がヴァーレ(VALE3)の株価を1.28%下落させ、国際的な原油価格の低迷がペトロブラス(PETR4)を0.47%下落させた。しかし、大手銀行がこの悪材料をカバーした。イタウ・ウニバンコ(ITUB4)が4.49%の大幅上昇、ブラデスコ(BBDC4)も1.96%上昇し、金融セクター全体が堅調だった。また、B3(B3SA3)は2.77%の上昇を記録した。
 小売株も投資家の期待に応え、ロージャス・ヘンネル(LREN3)が3.13%、マガジン・ルイザ(MGLU3)は6.23%の上昇でセッションを締めくくった。
 さらに目覚ましいパフォーマンスを見せたのは航空セクターで、アズール(AZUL4)が14.67%、ゴル(GOLL4)が13.77%の急騰を記録。これには政府との合意が後押しした。エネヴァ(ENEV3)も、入札規則の変更や自社株買いの影響で5.86%上昇した。
 こうしたポジティブな動きにもかかわらず、中央銀行が発表したボレチン・フォーカス(市場予測レポート)は、より厳しい金利環境を予想し、Selic(政策金利)の引き上げを見込んでいる。しかし、今のところ楽観論が支配的で、まだ希望があると市場は感じている。

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