サメに襲われやすい危ない5色=ビーチでは使用を避けて!

ペルナンブコ州都レシフェのボア・ビスタ海岸にあるサメ襲撃の危険を告知する看板(nicholasbittencourt, via Wikimedia Commons)
ペルナンブコ州都レシフェのボア・ビスタ海岸にあるサメ襲撃の危険を告知する看板(nicholasbittencourt, via Wikimedia Commons)

 北東部ペルナンブコ州などでサメによる被害が後を絶たない。ブラジルに観光旅行に来て海岸に行く場合は、以下の注意が必要だ。
 北東部には美しい海岸線が広がり、ダイビングやサーフィンを楽しむために世界中から観光客が訪れる。だが公式に記録が取られ始めた1992年以降、ペルナンブコ州全体で77件にも及ぶサメ被害が報告されている。今年2月から3月にかけてたった15日間で3件もの被害があった。
 サメに襲われやすい「色」について、8月31日付ソシエンチフィカ・サイト(1)が紹介している。
 同地域でのサメ被害については複数の要因が絡んでいると、海洋生物学の専門家らは説明する。海岸線付近とサンゴ礁の手前に深い水路があり、潮が満ちるとサメが通過しやすくなる。また都市化が進み、違法に海に排出される汚水量が増加し、環境劣化が原因でサメの餌となる生物が減少していることも一因とされる。ビーチでのスポーツや遊泳を禁止する標識や消防の指示を無視する人々の行動も被害の発生を助長している。
 海に入る際はサメの色に関する特性を知る必要がある。サメの視覚は光と影を感知する桿体細胞に依存し、色を識別する錐状細をほとんど持っていない。このため、サメの多くは色盲である可能性が高く、深く濁った海で生き延びるためにコントラスト感度が発達している。そのため特に以下の5つの色がサメの注意を引くとされる。
【1〈黄〉】黄色は青い海の中で対比的に目立ち、色盲のサメでも簡単に区別できる。サメの獲物の多くは半透明か反射しているため、鮮やかな黄色はそれに似ていてサメの注意を引くとされる。
【2〈赤〉】通常、水中では赤色は透過しにくく、深い場所では赤色があまり鮮明ではない。だが赤色は周囲が青緑の環境下では対比で際立つ。特に血液などの赤色物質は対比効果によって、サメの注意を引き付ける。
【3〈オレンジ〉】オレンジ色は水中では非常に珍しい色で目立ちやすく、サメにとって位置の特定を容易にする。オレンジ色に引き寄せられる要因は色自体ではなく、水中でのコントラスト特性による。多くの色が深度に応じて消えてしまうがオレンジは視認性を保つため、同色を持つ物体をより目立させる。
【4〈金属素材〉】金属表面の反射は海中で目立ち、鋭い感覚を持つサメの注意を引く。サメの獲物である魚類も金属光沢に似た鱗を持っている。サメは金属光沢を獲物と見なし、特に水が濁っているか光が少ない場合、顕著に反応する。
【5〈反射素材〉】通常の色と異なり、反射素材は光を不規則にちらつかせ、対比と動きに敏感なサメの注意を引く。これらの断続的な光のパターンは、水中の光の変化で特に目立ち濁った水中で反応しやすい。これらは負傷した獲物の不規則な動きを模倣し、サメの捕食本能を刺激する。

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