神戸市=海外移住と文化の交流センター=ユーチューブで施設の情報を発信

C.A.P.事務局の下田展久さん

 旧国立移民収容所の建物を改装して整備された多目的施設「神戸市立海外移住と文化の交流センター」(同市中央区)が、動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」で施設の情報発信を行っている。多文化共生や芸術の拠点になっていることを広く知ってもらおうと、昨年末から神戸大学の学生と連携し、これまでに16本の動画を公開した。
 1928年に開設された国立移民収容所は、日本の海外移住者が渡航前の準備のために滞在する施設で、71年の閉鎖までブラジルを中心に多くの移住者を海外に送り出した。建物は、日本に唯一現存する移住関連施設で、移民の歴史を後世に残そうと保存整備が進められ、2009年に現在のセンターが完成した。
 センターには、移民の歴史を当時の映像や写真で伝える「移住ミュージアム」を始め、移民の子孫にあたる在日ブラジル人の子どもに学習支援を行うNPO法人「関西ブラジル人コミュニティ(CBK)や国内外の芸術家の交流を促すNPO法人「芸術と計画会議(C.A.P.)」が入っている。
 これらの活動を多くの人に伝えようと、C.A.P.事務局の下田展久(のぶひさ)さん(66)が中心となり、昨年12月にユーチューブチャンネル(https://www.youtube.com/@user-ik9no8dk4u)を開設した。「日本で暮らす日系ブラジル人の苦労」「5分で巡る移住ミュージアム」など1本10~15分の動画を月2本公開している。
 動画制作は神戸大の学生に限らず、誰でも参加できる。下田さんは、「今後はブラジルで暮らす日系の人たちにも動画制作に参加してもらうなどして、センターを訪れただけでは伝わらない情報を発信していきたい」と話している。
 問い合わせは、C.A.P.(電話078・222・1003/メールinfo@cap-kobe.com)まで。午前10時~午後7時、月曜休み。

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