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《ブラジル》選挙キャンペーン動画で主張変化=「汚職」より「経済」優先へ=第1次投票を2週間後に控えて

4人の候補者たち(Twitter)

 ルーラ元大統領(労働者党・PT)やボルソナロ大統領(自由党・PL)をはじめとした大統領選の候補者たちはキャンペーンの焦点を経済などに切り替えており、特にルーラ、ボルソナロの両氏が汚職問題に関する言及を避けていると、22日付フォーリャ紙が報じている。
 これはフォーリャ紙が、動画サイト「ユーチューブ」上で行っている選挙キャンペーンの動画を調べて判明したことだ。今年の選挙では、これまでの恒例である選挙放送よりもユーチューブでの動画の方が話題になる傾向がある。ユーチューブだと時間や場所に縛られず何度でも見ることが可能で、時間的に余裕のある週末に見ることができるためだと見られている。
 同紙によると、世論調査で上位の候補4人の内、選挙キャンペーン開始1カ月の時点で作った動画がもっとも多いのはシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)の331個で、ルーラ氏221個、シモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)78個、ボルソナロ氏29個と続いている。
 その傾向を見ると、4人とも経済の話題をもっとも頻繁に扱っており、ルーラ、ボルソナロ、シロの各氏は40%、テベテ氏は34%を占めている。
 たとえばルーラ氏であれば、「私の政権時に40レアルだったガス代が今は120レアルだ」など、ボルソナロ政権を批判するものが目立つ。ボルソナロ氏なら、「他の先進国に比べればブラジルのインフレは低い方」との自己弁護やアウシリオ・ブラジルの支給額を600レアルまで上げた功績。シロ氏やテベテ氏は、負債に対する利子の法制化や税制改革などについての提案を行っている。
 ボルソナロ氏だと、経済以外は「モラル」が18%、「治安」が12%を占めている。この傾向はルーラ氏もほぼ同じだという。その一方、シロ氏やテベテ氏は「貧困の増加」などへの言及が目立っており、テベテ氏の場合は保健関係も12%を占めている。同氏は昨年の上院でのコロナ禍議会調査委員会(CPI)で行った厳しい質問の数々や、公開討論会でのやり取りで注目を浴びている。
 一方で、「汚職」の問題はルーラ氏、ボルソナロ氏ともに言及を避けていると報じられている。それはシロ氏が「左派政権、右派政権の汚職によって導かれたみじめな貧困を終わらせようではないか」と主張しているのとは対照的な結果だ。
 こうした傾向は、過去2回の2014、2018年の大統領選とは大きく異なっていると言える。これらの選挙ではラヴァ・ジャット作戦が争点のひとつとなっていたからだ。ボルソナロ氏が2018年の大統領選で当選したのも、PTのラヴァ・ジャット糾弾が大きな要因となっていた。
 だが、2019年のヴァザ・ジャット報道でラヴァ・ジャットの権威が失墜し、実刑を受けていたルーラ氏が釈放され、判決も無効化された。その上、与党側になったボルソナロ氏に自身の一家を含む汚職疑惑が発生したこと、汚職よりも貧困格差の問題が大きくなったことなどが、こうした傾向の変化を生んだと見られている。

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