群馬県大泉町=ブラジル日本移民の日初めて祝う=次の30年は子弟教育に注力を

当日の主催者や来賓の一部
当日の主催者や来賓の一部

 日本海外協会(林隆春代表理事)は6月18日、人口の19%を外国人が占めることで有名な群馬県邑楽郡大泉町のブラジリアン・プラザで、同地初となるブラジル日本移民の日記念イベントを開催し、約50人が参加した。イベントの様子が6月30日、動画サイト『Youtube』(https://www.youtube.com/watch?v=gu5jv1JbjRg)↓に公開された。

 「行け行け同胞海越えて―」。動画の冒頭には、南米公演を重ねてきた歌手の中平マリコさん(東京在住)が『渡伯同胞送別の歌』を歌う元気な声が響く。
 動画は9分余りの長さになっており、社会学者のアンジェロ・イシ武蔵大学教授が、ブラジル人日本定住開始から32年が過ぎた現在を振り返り、「コミュニティ内でも多くの人が亡くなった。日本で最もブラジルらしい町のブラジルらしい施設で、こうしてブラジル日本移民の日を祝うイベントが行われることを心から嬉しく思う。在日ブラジル人コミュニティもリーマンショック、東日本大震災、パンデミックを日本人と共に乗り越えてきた。これからは子弟教育に集中するべきでは」と次の30年に関する意見を述べた。

ビデオの冒頭の画面
ビデオの冒頭の画面

 国籍や宗教を問わず納骨できる国際共同供養墓を多摩八王子霊苑内に建設した元東京都議会議員の石毛しげる氏は「人生の長い時間を日本で過ごして亡くなる外国人にとって、日本は安心して骨を埋められる場所だと思ってもらえることは大事。その一助になれば」と話した。
 日系人研究をする早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員の小嶋茂さんも「ブラジルでは移住開始から70年後に移民史料館ができた。1世は子弟教育に力を注いでブラジル社会との懸け橋を育てた。サンパウロの史料館を見ればそれが良くわかる」とし、今後の在日ブラジル人コミュティにおける教育の重要性を訴えた。
 同イベントでは在日ブラジル人定住30周年を振り変えると同時に、次の30年を見通す意味を込めて「ネクスト30」というテーマを設定。テーマに関するメッセージと寄せ書きが集められた。
 当日は、日本人ミュージシャンREI CAPOEIRAPさんの歌も披露された。

最新記事