パラー州で狂牛病発生を確認=中国向け牛肉輸出を差し止め

牛のイメージ(Arquivo/Agencia Brasil)
牛のイメージ(Arquivo/Agencia Brasil)

 22日付テラサイト(1)などによると、パラー州で狂牛病発生が確認され、中国への牛肉輸出を一時的に差し止めるなどの事態が発生している。
 農務省によると22日にパラー州マラバーで、小農園主が経営する牧場で、9歳の雄牛から狂牛病発生が確認された。これにより農務省は、23日から中国への牛肉輸出を一時的に差し止める判断を下した。
 農務省の発表以前に、パラー州牧畜農家保護局が牛海綿状脳症(BSE)のテストを行った結果、陽性反応を示したことが発表されていた。同局によると、これは年老いた牛に発生する性質のもので、他の牛の群れや人間の体に伝染するような性質のものではないという。
 農務省はすでに国際獣疫事務局(OIE)にこの件の報告も行っているほか、カナダのアルバータにある専門の研究所にもデータを送り、確認を求めている。
 中国とブラジルは2015年に狂牛病が発生した場合の対処に関する協定を交わしている。それによると、その場合には、ブラジルは中国をはじめとしたアジア諸国に牛肉を輸出できないことになっている。
 2021年にもミナス・ジェライス州とマット・グロッソ州で狂牛病が確認されており、その際には4カ月にわたってアジアへの牛肉輸出が禁止され、同時期の牛肉輸出の20%のマイナスとなった。
 パラー州牧畜農家保護局は160頭の牛の頭を調べた結果、脳がスポンジ状になった牛を1頭発見したとしている。問題となった牛はすでに隔離された状態にしてあるという。
 狂牛病確認の一報を受け、22日に食肉大手JBSが4・33%、ミネルバが7・92%、株価が下がっている。
 今回の狂牛病による中国への牛肉輸出差し止めの期間や、それによる損害がどれくらいになるかはまだわかっていない。

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