再派遣隊員3人が1年振り返る=JICA海外協力隊中間報告会

中間報告会に参加した皆さん(前列左から1人目が櫻田さん、3人目が小﨑さん、6人目が米田さん)
中間報告会に参加した皆さん(前列左から1人目が櫻田さん、3人目が小﨑さん、6人目が米田さん)

 独立行政法人国際協力機構(JICA)ブラジル事務所(江口雅之所長)は9日、日本文化広報施設「ジャパンハウス」にて、青年海外協力隊員3人による「中間報告会」を行った。派遣先関係者やこれから任地で活動する新規隊員ら約40人が参加した。
 発表を行ったのはサンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス文化協会で野球を教える米田孝友さん、サンパウロ州インダイアツーバ日伯文化体育協会でソフトボールを教える小﨑愛暉さん、サンパウロ州ジャカレイ日伯文化体育協会で日本語教育を行う櫻田麻友さんの3人。3人は新型コロナウィルスの影響で20年3月に一時帰国し、昨年3月、4月に再派遣された。
 野球指導の米田さんは発表で、指導方法について「技術指導より子供達を楽しませる事に重点を置いています」と語り、「選手を増やすために、小学校やイベントで野球教室を開いています。道具が不足した際には自作の物を使い解決しています」と独自の工夫を語った。
 米田さんの配属先の同協会ソフトボール指導者のジェフェルソン・イノウエさんは「米田さんは、スポーツ以外の部分でも貢献してくれている。我々にとってとてもありがたいこと。彼はポルトガル語も非常に上手だ」と米田さんの活動を振り返った。
 ソフトボール指導の小﨑さんは、前回派遣時に得た学びから行った日本待機時のメッセージ動画の作成や、道具集め、練習動画の共有など、子供達とのつながりを維持する活動を紹介。「子供達は少しずつですが、着実に上達しています。今後は具体的な目標を設定し、練習していきます」と語った。
 小﨑さんの配属先の同協会ソフトボール指導者のアレックス・ユウジ・マドコロさんは「小崎さんはみんなから好かれる存在。小﨑さんの指導法は勉強になる。今後も選手の育成に力を入れていきたい」と話した。
 日本語を教える櫻田さんは、日本での待機期間中に行った自作の日本語テストを生徒達にオンラインで受けてもらう活動などを紹介。再派遣後の現在は対面とオンライン式の両方で授業を行い、派遣先からの依頼を受け、教科書と授業カリキュラムの作成も行っているという。「先生ごとに指導方法が異なると生徒達が混乱してしまうので、教科書作りやカリキュラム作成を通じてそうした問題を無くすことができれば」と語った。
 櫻田さんの配属先の同協会日本語教師の木下佳代さんは「櫻田さんに来ていただいたおかげで、生徒達の勉強に対するモチベーションは上がっています。とても頼もしいです」と感謝を述べた。
 報告会に出席した川村怜子JICAブラジル事務所次長は「設備が整っていなくても、自ら工夫して活動することの大切さを感じました。皆さんが日本の技術や文化を伝える『ミニ大使』として活躍できるよう応援しています」と激励の言葉を送り、江口所長はこれから任務で活動する新規隊員らへ向けて「3人の発表に刺激を受け、今後の活動に役立ててください」と語った。

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