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和歌山県人会定期総会=谷口会長が5期目続投=70周年に向け団結呼びかけ

2023年2月18日

谷口ジョゼ眞一郎会長
谷口ジョゼ眞一郎会長

 ブラジル和歌山県人会(谷口ジョゼ眞一郎会長)は5日、サンパウロ市の同県人会館で定期総会を開催した。54人が出席し、昨年度事業報告及び決算報告審議、今年度事業計画及び予算案発表、役員会改選を行い、いずれも承認された。役員会改選では谷口会長の5期目続投が決定した。総会後には新年祝賀会が催され、会員らは親睦を深めた。 総会冒頭では、先亡者の霊に一分間の黙祷が捧げられた。県歌斉唱の後、開会挨拶に立った谷口会長は「県人会は今年創立69周年を迎える。来年の70周年、そしてその先に向けて県人会が発展できるように一致団結していきましょう」と抱負を述べた。
 昨年度事業報告及び決算報告審議では、22年7月のブラジル日本都道府県人会連合会(県連)主催「日本祭り」での活動などが振り返られ、谷口会長から会員へ協力に対する感謝が語られた。決算報告として総資産105万8846・06レアル、収入17万1651・26レ、支出14万2261・11レ、総収支5万5343・23レの黒字が報告され、承認された。
 今年度事業計画及び予算案発表では、昨年から行っている会館へのエレベーター設置の進捗予定報告、7月の県連日本祭りと10月に母県で開催される和歌山県人世界大会への参加呼びかけが行われた。23年度予算案として収入31万レ、支出レ25万2850レ、総収支5万7150レの黒字予算案が提出され、承認された。
 役員会改選では、新役員会が発表され、5期8年目となる谷口会長は「引き続き県人会のために頑張りたい。県連日本祭り出店売り上げのおかけで収支は安定しているが、高齢化による会員数の減少は進んでおり、若い世代の参加を促進しなければ、日本祭りへの出店も出来なくなってしまう。会の今後のためにも協力して課題解決に取り組んでいきましょう」と意気込みを述べた。
 総会後には新年会が催され、今月誕生日を迎える会員らのお祝いなどが行われた。
 新役員会は次の通り。【会長】谷口ジョゼ眞一郎【副会長】第一=梅田パウロ・ノリオ、第二=永井エジソン英二、第三=武田フラビオ【会計】第一=宮下望、第二=中野千秋【書記】第一=谷口ルシアナユミ、第二=内田アリセハツエ。

街角ちょっと見=和歌山ご長寿さん新年の抱負は?

小西和子さん(中央)と家族の皆さん
小西和子さん(中央)と家族の皆さん

 和歌山県人会の新年会には、高齢会員の小西和子さん(日高市出身、91歳)と貝塚晴子(新宮市出身、92歳)さんも参加した。小西さんが13日に誕生日を迎えることもあり、新年会では長寿を祝う記念ケーキカットも行われた。
 小西さんは1954年に22歳で家族と共にサンパウロ州バウルー市へ移住。当初は「馬小屋の様な家」に住みながらコーヒー栽培に従事した。2年間の従事契約を終えると、独立し、借地でのトマトやきゅうりの栽培を始めた。65年に父・巳之吉(みのきち)さんの知人の勧めで家族でモジ・ダス・クルーゼス市へ移った。88年には妹の悦子さんが住むボツカツ市へ移って軽飲食店の経営を行った。夫の英雄さんは2000年に他界。3人の息子の内、2人も既に逝去した。現在は2人娘の内の1人と共にボツカツで暮らしている。
 小西さんは盆踊りの先生として一週間に1度、近所に住む悦子さんの家で、20人の生徒に踊りを教えている。授業の後に生徒らが持ち寄った料理を囲んで夕食会を行うのが楽しみの一つだ。イビウナやピエダーデ、ソロカバ、バウルーなどで行われる盆踊り祭りからは、遠路参加を請われることもあり、バスを借りて生徒らと参加するそうだ。
 「ブラジルに来た当初は言葉が分からなくて大変だったけど、人付き合いの距離感が自分にあっていてとても暮らしやすい」という小西さん。「これからも元気で楽しく暮らしていきたい」と新年の抱負を語った。

貝塚晴子さん
貝塚晴子さん

 貝塚さんは1951年頃に31歳で渡伯した。ブラジルは景気が良いとの評判から、嫁入り先の貝塚家がブラジル移民を希望。「それまでブラジルなんて考えてもなかった」という貝塚さんは、移住したコーヒー農園の「天井から星が見える家」で1歳の子供を育てながら家族を支えた。
 2年の従事契約を終えた後は、各地を渡り、サンパウロ市リベルダーデ区に落ち着いた後は、ガルボンブエノ街の弁当屋ヤマトなどで働いた。
 「ブラジルに来た当初は言葉が大変だったし、実家の親兄弟と会いたくて日本が恋しかった。今となっては、言葉は子供らが助けてくれるし、食べ物が豊富で良い国だと思う。人の先に立って何かをするような年でもないので、周りの言葉を聞きながら、いい一年にしたいです」と語った。

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