
ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、谷口ジョゼ会長)が主催する「第26回日本祭り」大間知アルフレッド実行委員長)がサンパウロ市のサンパウロ・エキスポで11日から3日間、日伯友好交流130周年をテーマに開催された。2日目には盛大な開会式が行われ、130周年を記念する特別プログラムが披露された。式典には日伯政府関係者、スポンサー企業代表者らが多数来賓として登壇。両国歌が厳かに演奏され、会場は厳粛な雰囲気に包まれた。
沖縄県人会親善大使である上原テリオ氏が舞台に上がって130周年記念特別プログラムを主導し、テーマ曲として日伯の絆を象徴するポルトガル語の歌詞を含むBEGINの「涙そうそう」新バージョンが発表された。
BEGINからの祝賀ビデオ動画が上映され、ボーカルの比嘉栄昇は「Chitãozinho & Xororóさんと歌えることは大変光栄なこと。この機会を作ってくださった坂尾英矩さんに、この場をお借りしてお礼申し上げます。またブラジルに行けることを楽しみにしております」と述べた。Chitãozinho & Xororóからも短いビデオメッセージが届き、観客を魅了した。
その後、2者による友好交流記念曲「涙そうそう」のミュージックビデオが大型スクリーンに映し出され、その音楽と映像に合わせて、斎藤悟琉舞道場のダンサーと友力の絆の太鼓奏者らが、この日のために特別に制作した振り付けを披露した。県連の歴代会長も紹介され、貢献に感謝が表された。
県連の谷口会長は開会挨拶で、スポンサー企業と1万人超のボランティアに感謝の意を表し、「私たち日系人は、守るべき二つの重要な柱を持っております」と前置きして「ブラジルにおける日本文化の継承」「日本政府との仲介役」を挙げ、「今日この舞台には、軍人や裁判官、企業家など、ブラジルの社会のピラミッドの頂点に立つ多くの重要な人々がいらっしゃいます。つまり、日系人コミュニティはブラジル社会と完全に統合していると言えます。この地を愛している私たちにとって、それは大きな誇りです」と述べ、最後に、「日本万歳、ブラジル万歳!」と力強く締めくくった。
サンパウロ市のリカルド・ヌネス市長代理として出席した、ロドリゴ・ハヤシ・ゴウラートサンパウロ市経済開発・労働局長は「日本はレジャー、文化、娯楽、美食だけでなく、多くのビジネスもある。サンパウロ市はSPネゴシオス(SP Negócios)のブースを設けた。私たちははるかに多くのことができると確信しております」と述べ、来週には入札プロセスが開始される予定の「エスプラナーダ・リベルダーデ」の入札に言及し、ヌネス市長が日系コミュニティに抱く敬意と配慮を示した。
サンパウロ州知事代理としてマルシア・マルトン州文化・経済・創造産業長官は「日本祭りは文化イベント以上のもの。日本文化がこの国にもたらした統合、多様性、豊かさの生きた模範であり象徴だ。サンパウロ市は、日本国外で最大の日本人コミュニティの拠点である特権を持っている。その存在は私たちの文化、経済、教育、芸術、そして美食に深い足跡を残している。サンパウロ州政府はこの歩みのパートナーであることを誇りに思っている」と語った。
林禎二駐ブラジル日本国大使は「この日本祭りは、この『日ブラジル友好交流年』の中で最も重要で際立ったイベントの一つ。先月には、佳子内親王殿下をブラジルにお迎えいたしました。この機会に、佳子内親王殿下への温かいおもてなしに感謝申し上げます。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。林大使によると、日本祭りなどの日本文化普及イベントのおかげで、今年上半期だけで訪日ブラジル人観光客の数が40%増加。10月まで開催される大阪・関西万博への訪問を通じて、その数を倍増させたいとの期待を表明した。
式典の締めくくりに鏡開きが行われ、清水享在サンパウロ総領事の音頭で「ヴィヴァ、サウージ、カンパイ」と乾杯が行われ、日本祭りの成功と日伯両国の友好関係のさらなる発展が祈願された。
小泉進次郎農林水産大臣=メッセージ動画で挨拶

開会式では、小泉進次郎農林水産大臣からはビデオメッセージが披露された。小泉大臣は流暢なポルトガル語で自己紹介した後、次のように述べた。
「農林水産省はサンパウロ日本祭りに、2015年から日本食材ブースを出店し、日本の食材や酒の魅力発信をしてまいりました。今年も日本の食材などの商談会として、第2回ふるさといいもの展を、2階の特設会場で開催しております。いいもの展には全都道府県から104の食品や酒類のメーカーなどが参加し、各都道府県の特産品を持ち寄っております。
また、1階の農林水産省ブースでは、日本の農林水産物・食品のPRに加え、酒サムライやミス酒による日本酒セミナーのほか、現在開催中の大阪関西万博を盛り上げようと公式キャラクターのミャクミャクも参加しております。
今年は日ブラジル外交樹立130周年です。日系人の皆様が日本の食文化を継承されていることにより、日本の食文化はブラジルの中で広がりを見せております。いいもの展を通じて日本産の米や酒などがブラジルのレストランや食卓に届けられるようになることを期待しております。最後になりますが、サンパウロ日本祭りのご成功と皆様のご多幸を祈念し、私からのご挨拶とさせていただきます」。