
ブラジル日本文化福祉協会が主催して5月24日に同貴賓室で、2024年の選挙で当選した日系ブラジル人の市長、副市長、市議たちを顕彰するイベントが行われました。ティナ・ターナーの「The Best」が流れる中、ただの式典にとどまらない、心温まる集まりとなりました。
全国から日系人リーダーたちが集まり、家族や地域に受け継がれてきた価値観――規律、倫理、責任、制度への敬意――を語り合いました。PSD(社会民主党)、MDB(ブラジル民主運動)、PL(自由党)、PT(労働者党)など、多様な政党に所属する議員たちの当選が祝われました。
多くの日系リーダーたちに共通する保守的な考え方は、偶然ではありません。これは、移民としてブラジルに渡り、困難な中で生活を築いてきた歴史の中で育まれてきたものです。勤勉、秩序、教育の大切さ、家族の絆。これらの価値観が、組織的で効率的な政治運営、経済的な持続可能性、そして社会的責任を重視する考え方につながっています。
さらに、世代を超えて共有されてきた日本文化の存在も大きな要素です。程度の差はあっても、どの日系リーダーも日本の伝統や価値観に少なからず影響を受けており、それが彼らの人生観や政治姿勢に表れています。
日系人の政治参加は、ブラジル社会にとっても重要な意味を持っています。格差や排除の歴史があるこの国で、少数派が民主的な方法で代表者を持つことは、大きな一歩です。この「見える化」は、第2次世界大戦中の国家による弾圧や、日常的な差別を乗り越えてきた日系社会の努力の結果でもあります。
この日のイベントで注目された一人が、元連邦下院議員の飯星ワルテル氏(PSD)です。彼は現在、サンパウロ州政府で地域開発プロジェクトの連携を担当し、マリリア地域(51市)を管轄しています。2024年の選挙では、彼の政治的なネットワークによって、19人の市長が当選し、そのうち70%が彼の支援によるものでした。
今回の参加者の中には、幸村ペドロ市議、アルトゥール・タカヤマ市議、パラグアスー・パウリスタ市のアンティアン市長、パラプアン市のミルトン・イワヤマ市長など、日系のリーダーも含まれています。
最近では、女性の日系リーダーも活躍しています。パトリシア・ツツメ・リヴォラチ氏、パウラ・マユミ・タブセ氏、プリシラ・ヤマガミ氏、スエミ・オヤ・ミナミ氏、タイス・タカハシ氏、ジェシカ・ヨシコ・デ・サンタナ氏、カーラ・タチアネ・ニシ・パドゥラ氏、エリザベッチ・アケミ・ウエタ・ニシモリ氏といった名前が挙げられます。
彼女たちは、地域の課題に寄り添いながらも、文化的な価値を守り、同時に多様性や現代的な変化に柔軟に対応する姿勢を見せています。
最後に、主催者である文協の西尾ロベルト会長が会場に問いかけました。
「なぜ、日系人は日系人に票を入れないのでしょうか?」
この問いに対する答えの一つは、私たちの祖先が大切にしてきた価値観を、現代のアイデンティティの問題とどう結びつけるかにあるのかもしれません。
それが、ブラジルにおける人種の議論をよりバランスのとれたものにし、「黄色い代表性」を強めるための大きな一歩になるのではないでしょうか。
当日の動画(https://www.youtube.com/watch?v=lF6p1pnRBTU)




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