秋篠宮佳子内親王殿下（以下、佳子さま）は6日（金）9時過ぎ、ブラジル日本文化福祉協会にご到着され、西尾ロベルト会長らが出迎える中、大階段に敷かれた赤ジュータンの上をゆっくりと上られ、まずブラジル日本移民史料館を1時間ほどご視察になった。その後、貴賓室で日系団体幹部や日系社会功労者のご引見、11時半頃から大講堂に集まった日系団体代表者ら約1千人による歓迎式典にご出席された。
大講堂前のサロンには殿下歓迎の横断幕を持ったボーイスカウト隊や大志万学院、コレジオ・アルモニア、赤間学院、ミラソル学園、日伯ますえ保育学園(OEN）の日系校生徒ら約250人の子供が花道を作って歓迎する中、舞台のソデからお入りになった。
大講堂の客席は埋め尽くされ、佳子さまが入場すると歓声が湧き、一斉に立ちがって日伯の旗を振り、拍手で歓迎した。舞台背面には日伯両国旗が掲げられ、中央に佳子さまが着席された。文協コーラス隊により、君が代、続いてブラジル国歌の斉唱が行われた。
西尾文協会長は全日系団体を代表してポ語で「先ほど、佳子内親王殿下がご登壇なさいました際に、熱烈な歓迎の拍手が沸き起こりましたが、これは、ブラジル日系社会が皇室に寄せる深い敬意と親愛の情が、まさに純粋な形で表現されたものでございます。誠に、ここ文協に佳子内親王殿下をお迎えできましたことは、この上ない喜びであり、光栄の至りにございます」と歓迎の言葉を述べた。
佳子さまは「サンパウロでこのような歓迎行事を開催してくださいましたことに、心から感謝を申し上げます。昨日は開拓先没者慰霊碑に献花を行い、先人が歩んだ険しい道のりに思いを馳せ、本日はブラジル日本移民史料館で日系の皆さまの歴史を改めて心に刻みました。日本から移住された方々とご子孫が、様々な困難に直面しながら日々努力を重ねてこられたことに、そしてブラジルの社会に貢献してこられたことに、改めて深く敬意を表します」と述べられた。
さらに「日系の方々とお話をする機会をいただき、お伝えくださったことそれぞれが、深く心に残っております」「ブラジルから日本にも日系の方を中心とする約21万人が来られ、さまざまな分野で活躍していらっしゃいます。ブラジルにいらっしゃる日系の皆さまとブラジルから日本に来られた方々、お一人お一人のご努力は、日本とブラジルの友好関係をさらに深めることにつながっていると感じています。深く感謝申し上げます」と目で会釈した。
加えて「ブラジルには天皇陛下、上皇上皇后両陛下をはじめとする方々が、ご訪問を続けてこられました。私の両親や姉もサンパウロ州を訪れ、皆様に心温まるお迎えをいただいたことを大切な思い出として持ち続けています」 「こうして親しい気持ちを持ち続けてきたブラジルで、皆様にお会いできましたことをとても嬉しく思います」と親しみを込めて述べられた。
その後、着物姿の生徒から花束を受け取り、大志万学院のコーラス隊が日本語で「ふるさと」、新しい家族の一員の誕生の知らせを受け取る家族の物語を歌ったブラジルの有名曲「anunciação」を披露した。
佳子さまは退場の際、舞台から降りて客席の最前列の生徒や高齢者に次々にお声をかけられ、握手をしては話を聞いていた。
