
25日に新本堂開堂式を行うブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺(コレイア教伯ブラジル教区長)は21日午前、サンパウロ市リベルダーデ区の日系パラセホテルで、日本からの慶祝団68人を代表して、教団トップの木村日覚(にちがく)上人佛立第27世講有を始め、岡居日実(にちじつ)弘通(ぐずう)局長、西村清良(せいりょう)国際部長らの記者会見を行った。サンパウロ市イピランガ区に約5千平米の土地に8千平米の建築面積を持つ3階建ての新本堂と、6階建て講堂が建てられており、南米最大規模の仏教寺院になるという。
コレイア教区長は「笠戸丸移民として来た最初の仏教僧侶、茨木日水上人の50回忌を記念して新本堂建設プロジェクトができ、2023年1月から建設が始まりました」と説明。「以前はお寺でパーティーもサッカーも禁止されていましたが、佛立第18世講有日地上人がご来伯された際、『子供や青年のいないお寺に未来はない』との名言を言われて以来、解禁となり現在の信徒は1万人。今週開堂式、今年7月に新本堂で青年会50周年式典を盛大に行い、8月にはタピライ聖地10周年を立て続けに祝うことになっています」と活発な活動ぶりを報告した。
木村日覚上人は「イタリア、アメリカ、韓国、台湾、フィリピン、スリランカなどにも布教拠点はあるが、日本を除いては、ブラジルが最大規模。近年の発展具合は日本を凌ぐ勢いがあり、心から喜んでいる次第です」と笑顔を浮かべた。
仏教教団としては珍しく教えをポ語訳している理由を質問すると、木村日覚上人は「お経は元々、難しいもの。難しいから分かりやすく解説する必要がある。意味が分からないまま唱えるのでなく、信仰心を持てるように御題目を唱えてもらうには、現地の言葉にするのが一番。まだまだ翻訳すべき日蓮聖人の教えがいろいろある」と説明した。
岡居弘通局長も「1984年まで20年間、日本から僧侶を派遣して布教活動をしてきた。現在までに14人のブラジル人僧侶を日本に留学させ、2年から10年ほど勉強をし、彼らがブラジルでの布教活動を牽引する存在になった。西村清良国際部長が住職を務める、大阪清風寺(せいふうじ)で寝泊まりしてもらうなど、僧侶としての教育に力を注いできた成果が今現れている」と喜んだ。
記者団からの「他の宗教との違いは?」との質問に、木村日覚上人は「人種や国籍、性別の平等、平和を唱えるのが法華経。これが我々の根本の教え。不軽菩薩は暴力的な手段を避け、慈悲によって相手を説得し、導くことを目指します。インドのガンジーの非暴力運動も仏教に元があるのではと思ってます。これは戦争や紛争が起きている現代、最も重要なことだと考えます」と話した。
南米最大の新本堂は95%完成しており、24日(土)10時から17時まで一般に公開される。25日の開堂式は招待者のみ。新本堂住所(Rua Vicente de Costa, 211 – Próximo ao Museu do Ipiranga)