ジャンジャ夫人が問題発言⁈=習主席に「TikTokは有害」

ジャンジャ大統領夫人(Palácio do Planalto from Brasilia, via Wikimedia Commons)
ジャンジャ大統領夫人(Palácio do Planalto from Brasilia, via Wikimedia Commons)

 ブラジル大統領のファーストレディ、ジャンジャ夫人が中国訪問中に行った発言が波紋を呼んでいる。5月初旬、ブラジル代表団の一員として訪中したジャンジャ夫人は、習近平国家主席との晩餐会の場で、SNS「TikTok」の有害性について発言した。この発言が会談を気まずい雰囲気にし、参加した一部のメンバーがメディアにリークした結果、不適切な発言だったと報じられた。
 ジャンジャ夫人は、TikTokのアルゴリズムが極右政治勢力を助長していると指摘。特にブラジルにおける右派の台頭に問題があるとし、その影響を懸念した。これに対し、習近平国家主席は「ブラジルが必要であれば、TikTokを規制したり、禁止する権利がある」と応じた。会談の場は予定されていなかったジャンジャ発言に驚きの声が上がり、一部の代表団メンバーは「この発言は無礼であり、不適切だ」と評価した。
 この発言を巡り、中国のファーストレディである彭麗媛氏もジャンジャ夫人の態度に不快感を示したとも伝えられており、ジャンジャ夫人の行動は無礼だと受け止められた。しかし、ブラジル側ではルーラ大統領が強く反論。「ジャンジャ夫人には発言する権利があり、彼女は〝二級市民〟ではない」と述べ、彼女がSNSに詳しく、その発言は当然だとの立場を取った。
 ルーラ大統領はこの会話が報道されたことに不満を示し、「この情報は機密であり、報道されるべきではなかった」と語った。彼は、会話の内容が代表団内でのみ共有されるべきもので、外部に漏れたことが不可解だとした。ジャンジャ夫人は、ブラジルにおける女性や子どもがTikTokを通じて攻撃されている現状を説明し、その規制の必要性を訴えた。
 ルーラ大統領は、習主席がデジタル問題について信頼できる人物をブラジルに派遣すると約束したことを伝え、この問題を公に議論すべきだと強調した。SNSが暴走する現状に対し、規制の必要性を再認識し、「ごく普通のことだ」と述べた。ルーラ大統領は最終的に、ジャンジャ夫人の行動について「不快に思っていない」と述べ、彼女が自分の権利を行使したことに理解を示した。
 ルーラ政権内ではセントロンが存在感を強めており、右派に批判的な内容が伯中トップ間で話し合われた事実に、敏感な反応を示す勢力が出てきているようだ。(1)(2)

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