ブラジルに秋葉原文化を!=角田夫妻が初メイド喫茶開店=Dokidoki Maid Café

スエリーネさん(左端)、祐輔さん(右端)とメイドの皆さん
スエリーネさん(左端)、祐輔さん(右端)とメイドの皆さん
可愛らしく盛り付けられた料理
可愛らしく盛り付けられた料理

 角田祐輔さん(千葉県出身、29歳)スエリーネさん(3世、26歳)夫妻が2月、サンパウロ市リベルダーデ区にメイド喫茶「Dokidoki Maid Café」を開業した。イベントなどでメイド喫茶が行われることはあったが、店舗営業が行われたことはなく、角田さんは「ブラジル初のメイド喫茶だと思う」と語る。

 メイド喫茶(メイドカフェ)とは、メイドになりきった店員が、客を「主人」に見立てて給仕を行う形式の喫茶店を指す。日本の秋葉原などで発展した文化だ。「Dokidoki Maid Café」には伯人メイド4人が勤務中で、入店時には日本のメイド喫茶に倣って日本語で「おかえりなさいませ」などと声をかけ、注文した食事にも「美味しくなるオマジナイ」がかけられる。
 スエリーネさんは丹下セツコ太鼓道場で修業した後、日本へデカセギに。東京の飲食店で働いている際に裕輔さんに出会って結婚した。
 コロナ禍により、祐輔さんが経営する運送・清掃会社が大幅に減収し、また同時期にスエリーネさんの妊娠がわかったこともあり、ブラジルで新たに起業して、新生活を築くことを決意した。移住前、起業のためブラジルで未開拓の市場分野を探しているうち、昨今のアニメ、漫画人気の高まりなどから「メイド喫茶」開業に思い至った。スエリーネさんは「秋葉原にあるメイド喫茶を虱潰しに見て回りました。とっても面白かった」と振り返る。
 パンデミック真っ最中の21年7月に移住を決行。祐輔さんは「ブラジルへ渡るときに不安はありましたが、それに勝るくらいの冒険心と好奇心がありました」と当時の心境を振り返る。
 メイドは角田夫妻の知人の紹介や求人募集への応募で登用することが出来た。現在は求人募集を行っていないが、メイド希望者から続々と履歴書が送られてくるという。
 リベルダーデ区を訪れるコスプレイヤーにも認知されるようになり、コスプレイベントの開催も行っている。
 開業してから一番の苦労は、メイド喫茶を「メイド設定のアニメキャラクターに扮した店員に会える場所」と想像しているお客さんが多いことだという。祐輔さんは「この2カ月間でメイド喫茶文化が少しずつ理解されるようになってきましたが、まだまだ努力が必要です」と語り、「今後はメイド喫茶以外にも、日本にあってブラジルにはない『エンターテイメント』を手掛けてみたいです」と事業抱負を語った。
 「Dokidoki Maid Café」の店舗概要は次のとおり。【営業時間】:火~日曜日11時から18時【住所】:Rua Galvão Bueno, 351, 2 andar【SNS】instagram.com/dokimaidcafe/。

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