
5月7日、カトリック教会は教皇選出のための重要な会議「コンクラーヴェ」を開き、フランシスコ教皇の後継者が選ばれる。今回の会議ではイタリアのピエトロ・パロリン枢機卿、フィリピンのルイス・アントニオ・タグレ枢機卿、そしてブラジルのレオナルド・シュタイナー枢機卿など、注目すべき人物が教皇候補として名を連らねている。
5日付テラサイト記事(1)によると、現在のカトリック教会には、フランシスコ教皇が推進してきた進歩的な方向と、伝統的価値を重視する保守派の間で意見の分断が見られる。専門家たちは、この対立がコンクラーヴェでの枢機卿たちの投票行動に影響を与える可能性があると指摘している。
世界には252人の枢機卿がいるが、コンクラーヴェは80歳以下しか参加できないので、うち135人が互選する規定。ブラジル人枢機卿は8人おり、うち7人が規定内。世界で最も枢機卿が多いのは欧州の53人、続いて米州大陸の37人(うち南米17人)、アジア23人、アフリカ18人、オセアニア4人となっている。
フランシスコ教皇はこれまで代表性の低かった地域からも積極的に枢機卿を任命しており、現在のコンクラーヴェには非常に多様な顔ぶれが揃っている。そのため、参加者同士が互いを識別するために名札を着ける必要があるほどで、選出の行方は一層予測困難となっている。
5日付G1サイト記事(2)は、その中でもブラジル出身のシュタイナー枢機卿は注目される存在だと報じている。サンタカタリーナ州フォルキリーニャ出身で、1972年にフランシスコ会に入会し、1988年に司祭として聖職に就いて以来、長年にわたって教会内で豊富な経験を積んできた。2019年にマナウス大司教に、2022年にはアマゾン地域を代表する枢機卿に任命された。
アマゾン地域はカトリック信者が多い一方で、教会の影響力が比較的弱いとされる。しかし、シュタイナー氏はこの地で貧困問題や環境保護に積極的に取り組み、地域改革を推進するリーダーとしての地位を確立してきた。その姿勢はフランシスコ教皇の理念と重なり、多くの信者や聖職者たちから高く評価されている。
特に注目すべきは、彼がブラジルから初めてアマゾン発の枢機卿として任命されたことだ。その存在は、ブラジル国内外の信者や他の枢機卿に大きな影響を与え、教会の将来像を形作る上で重要な象徴となっている。伝統を尊重しつつも、現代の課題に真摯に向き合うその姿勢は、分断の只中にある教会において調和と改革の橋渡しを担える存在として、強く期待されている。
もしシュタイナー氏が教皇に選出されれば、ブラジル人枢機卿として初の快挙となり、カトリック教会にとって歴史的な瞬間となる。その選出は教会のさらなる改革と、特にアマゾン地域の支援強化という大きな転換点となる可能性を秘めている。多くの信者が、その未来に希望を寄せている。