レディー・ガガとマドンナ比較=リオ公演の裏幕、軍配はどちらに

レディー・ガガのコパカバーナ海岸でのショー(Fabio Motta/Divulgação)
レディー・ガガのコパカバーナ海岸でのショー(Fabio Motta/Divulgação)

 5月4日夜、リオデジャネイロのコパカバーナ海岸が世界の注目を大きく集めた。レディー・ガガが無料で行った大規模ライブは、実に210万人の観客を動員し、都市経済に60億レアル(約1800億円)以上の影響を与えた。このイベントは音楽、経済、そしてメディアの交差点で新たな歴史を刻むことになった。
 5日付尾・グローボ記事(1)によれば、ショーの実現には約9200万レアル(約27億円)の費用がかかり、その大部分はリオ市と州政府からの支援(各1500万レアル)と、12の企業スポンサーによる協賛で賄われた。この中にはレディー・ガガの出演料や、彼女と随行スタッフの滞在費、機材運搬・設営費なども含まれる。正確な出演料は明らかにされていないが、英紙「ガーディアン」の推計によれば、100万ドル(約1億4000万円)を超えるとみられる。
 ショーの影響は経済にとどまらず、メディアにも及んだ。ガガのライブはTVグローボの特番「Todo Mundo no Rio」で放送され、サンパウロ大都市圏では14・2ポイントの視聴率を記録した。5日付purepeopleサイト記事(2)によれば、これは土曜夜の放送としては好視聴率だ。一方、2024年5月に同じ場所で開催されたマドンナの「The Celebration Tour」は、放送が深夜に及んだにもかかわらず17・0ポイントを記録し、テレビ視聴率ではガガを上回った。
 現地動員数ではガガが圧倒的だったが、テレビ視聴率ではマドンナが依然として女王の座を守った形だ。加えて、ガガのライブ当日、TVグローボ全体の視聴率は24時間平均で9・3ポイントを記録。ドラマ『Vale Tudo』(19・4ポイント)や『SP2』(17・7ポイント)など、他の人気番組にも及ばなかった。とはいえ、1ポイントあたり19万9313人と換算すれば、ガガのライブだけで約280万人がテレビを通じて彼女の歌声に触れた計算になる。
 なお無料コンサートの動員記録では、1994年の大晦日に約420万人を集めたロッド・スチュワートがギネス記録を保持しており、今回のガガ公演はそれに次ぐ歴史的規模である。
 野外ライブでは「ビーチの女王」として君臨したガガ、テレビでは「ポップの女王」マドンナが勝利を収めた形だ。しかし、こうした伝説的アーティストたちがブラジルで競演することで、最終的な勝者は音楽を愛する国民全体であるとも言える。白熱のショータイムが過ぎ去り、さらに次なるディーヴァ(絶大な存在感を持つ女性)がブラジルの地に降り立つ日が待望されている。

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