
5日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、ルーラ大統領は今週、ロシアと中国への公式訪問を開始する。これは外交活動の一環で、国際的な対話を重視する姿勢の表れとしている。最初の訪問地はロシアの首都モスクワで、第2次世界大戦におけるソ連のナチス・ドイツへの勝利80周年を記念する式典にプーチン大統領の招待で参加する予定だ。式典は5月9日に赤の広場で市民・軍事パレードを中心に開催され、ロシアでは最も重要な祝日の一つとされている。
4日付オ・テンポ紙記事(2)によると、ルーラ大統領は5月8日から10日までモスクワに滞在し、その間にプーチン大統領との二国間会談も予定されている。この会談は、ロシア・ウクライナ間で停戦の可能性が再び浮上している中で実施され、国際社会からも注目が集まっている。
4日付ヴェルメーリョサイト(3)によれば、式典には中国の習近平国家主席も出席予定で、ロシア・中国・ブラジルというBRICSの主要国首脳が一堂に会する場となる。中国も同様の歴史的記念日「抗日戦争勝利記念日」を持ち、第2次世界大戦における犠牲と貢献を共有する国家として、今回の出席に意義を見出している。
ルーラ大統領はその後、5月12日と13日に中国・北京を訪問し、中国とラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)との第4回首脳会議に出席する。訪中期間中には、習近平国家主席との首脳会談も予定されている。この会談は、トランプ前米大統領の関税政策に端を発した米中貿易戦争がなお継続している中で行われる予定であり、グローバル経済の行方に大きな影響を与える可能性があると報じられている。
ルーラ大統領に先立ち、ファーストレディのジャンジャ・ルーラ・ダ・シルバ夫人はすでに5月3日にモスクワ入りしており、ロシア在住のブラジル人コミュニティとの交流や、飢餓と貧困に関する「グローバル・アライアンス」の推進をテーマとする複数の公務をこなしている。夫人はHSE大学での講演や、外国文学図書館でのイベントにも参加し、サンクトペテルブルクでの文化交流も予定されている。
4月末に開催されたBRICS外相会議においても、第2次世界大戦終結80周年が重要議題の一つとして取り上げられたと伝えている。
今回の訪問は、グローバルな多極外交を掲げるルーラ政権にとって、米中対立が続く中での独自の外交路線を示すものとなる。ロシアや中国との関係強化を通じて、ブラジルはBRICSを中心とした国際的な枠組みの中で、より大きな存在感を発揮しようとしている。