司法関連支出はGDPの1・6%=53カ国中で世界最多

ブラジルの裁判所への支出は1597億レアルであり、GDPの1・6%に相当(1月25日付メトロポレ・サイトの記事の一部)
ブラジルの裁判所への支出は1597億レアルであり、GDPの1・6%に相当(1月25日付メトロポレ・サイトの記事の一部)

 ブラジル財務省によると、2022年の司法機関への支出は1597億レアル(約4兆8千億円)となり、GDPの1・6%に相当した。これは国庫庁が分析した53カ国中で世界最多だった。1月25日付メトロポレ・サイト(1)が報じている。
 比較対象となった53カ国の司法関連支出の平均はGDPの0・37%であり、先進国では0・3%、新興国では0・5%であった。この部門での支出がGDPの1%を超えているのはブラジルの他には、コスタリカとエルサルバドルだけだった。
 同部門には、州裁判所、地方裁判所、検察庁、連邦最高裁判所(STF)などが含まれ、支出の約83%が職員の報酬に充てられた。裁判官などの給与が高く、福利厚生が手厚いことは有名だ。
 支出が最も多いのは州政府(921億レアル)で、連邦政府(638億レアル)、地方自治体(38億レアル)がこれに続いた。
 加えて、公安部門で支出が多いのは、市警、軍警、連警、連邦道路警察(PRF)などの警察業務で、その額は1140億レアルだった。ここでも州政府の支出が最も多く、895億レアルで、次いで連邦政府が200億レアル、地方自治体が89億レアルとなった。
 同日付オ・グローボ・サイト(2)よれば、NGOジュスタの統括役員、ルシアナ・ザファロン氏は「一部の州では予算の11%を治安部門、特に警察に費やしており、効果的な治安維持につなげるためには、司法経費を含むこれらを合理化する必要がある」と述べた。
 さらに「治安分野は広い業界に影響があり、観光や産業など他の領域にも影響を及ぼすが、大きすぎる司法・治安関連予算は合理化する必要がある。ここには刑務所制度への巨額の支出も含まれており、これが即時的、中期的、長期的を問わず利益をもたらさないことがすでに実証されている」と指摘した。
 23年7月20日付フォーリャ紙(3)によれば、ブラジルでは83万2千人の囚人が刑務所に収容されており、彼らを養うために巨額な管理維持費が投じられている。これは世界3位の多さで、今も増加傾向が続いている。

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