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ルーラ政権が市民軍学校支援策を廃止=費用に見合う効果なし=19州は独自に維持表明

アマパ州の市民軍学校(14日付ポデール360サイトの記事の一部)
アマパ州の市民軍学校(14日付ポデール360サイトの記事の一部)

 14日付ポデール360サイトなど(1)(2)(3)によると、ルーラ大統領(労働者党・PT)は12日、ボルソナロ(自由党・PL)政権時代の2019年に創立された市民・軍学校国家プログラム(Pecim)を廃止すると発表した。ボルソナロ政権時代に創設されたこのプログラムは、軍が公立学校に教育的、管理的な支援を提供できるようにするもの。教育省(MEC)のデータによると、市民軍学校は2022年までに全国で200校以上にのぼり、54校がサンパウロ州南部に配置された。
 市民軍学校は軍人や消防隊などが学校運営に関わるため、風紀の管理が厳しくなり、身だしなみに厳しいルールが科せられる特徴がある。例えば、女子も男子も標準とされる制服や髪型が決められ、ピアスなどの装飾品は禁止となる。日本では一般的な校則だが、ブラジルでは「軍並み」と言われる。
 米国でも民間の非営利の陸軍士官学校は多く存在し、礼儀正しさ、規律を子供に求める親が入学させることが多い。トランプ前大統領の母校がそれだったことは有名だ。
 ブラジルの公立校の風紀は伝統的に自由であるのと同時に、学校内暴力、学級崩壊などの問題も頻発しており、その解決策の一つとして、前政権は軍人が学校運営に公費で参加できるこのプログラムを始めた。
 今回ルーラ大統領はそれを廃止した。だが、全27州のうち完全に廃止すると決定したのはアラゴアス州のみにとどまり、少なくとも19の連邦自治体はこのプログラムを維持、または縮小する意向だ。他の7連邦自治体は今後については未定としている。
 13日付G1サイト(2)によれば、廃止に賛成する研究者やMECの元職員は、この教育モデルは全ての学校をカバーしきれず、実績がないにもかかわらず、財政に大きな負担がかかると主張している。昨年の場合、このプログラムには6400万レアルが費やされ、国内の学校運営費の0・1%に相当した。だが、Pecim創立当初の目標としていた、中退者の減少や校内暴力事件の抑制に関しては確たる効果はなく、望ましいレベルに達していなかったとしている。
 一方、ボルソナロ派の知事の中には、この決定を不服とする知事も少なくない。12日付G1サイト(3)によると、サンパウロ州のタルシジオ知事(共和党)は12日夜、独自の市民軍学校プログラムを創設し、サンパウロ州内の学校数を増やすと自身のツイッターで発言。「私も軍学校の出身者だ。若者に正しい価値観を身につけさせる、質の高い教育の重要性をよく知っている。我々サンパウロ州政府は独自のプログラムを創設し、市民軍学校を拡大していく予定だ」と表明した。
 ボルソナロ派ではないマラニョン州のカルロス・ブランダン知事(ブラジル社会党・PSB)も、このモデルを維持する意向だ。彼はこれまでも何度も市民軍学校を擁護し、軍の参加を他の自治体にも拡大するつもりだと主張していた。

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