新政権のアキレス腱は上院か=インフレ目標上げたいルーラ

1日の両院議長の就任式の様子、左からリラ下院議長、ルーラ大統領、パシャッコ上院議長(Foto: Edilson Rodrigues/Agência Senado)
1日の両院議長の就任式の様子、左からリラ下院議長、ルーラ大統領、パシャッコ上院議長(Foto: Edilson Rodrigues/Agência Senado)

リラが圧勝した下院、波乱含みの上院

 上院下院とも現職議長が勝利した。これはルーラ政権に有利だ。次の2年間の連邦議会の運営を左右する舵取り役であり、それが政権に好意的か否定的かで、まったく法案の通り方が変わってくる。
 例えば、ボルソナロ政権の最初はロドリゴ・マイア下院議長が政権の法案をことごとく否定し、新しく議会案を作って通していた。その時代に生まれたのが下院議長の権限を〝首相〟のように強化する秘密予算という制度だった。
 あれは、確かにボルソナロ政権時代に作られた制度だが、大統領権限を骨抜きにするために作られ、ボルソナロは追随せざるを得なかった。その仕組みを最大限に活用したのはアルトゥール・リラ現下院議長だと言われる。自分のシンパ議員に秘密予算をばら撒いて票集めを有利にしたから、今回の下院議員には再選者が多い。リラに恩義を感じる下議は多い。

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