エボの大統領選出馬禁止に=憲法裁判所が再選不可判決

憲法裁判所の判決を批判するエボ・モラエス氏自身のXへの投稿(Foto: X @ evoespueblo)
憲法裁判所の判決を批判するエボ・モラエス氏自身のXへの投稿(Foto: X @ evoespueblo)

 南米ボリビアの最高裁判所とされる憲法裁判所は2023年12月30日、大統領または副大統領を計2期以上に渡って務めることを禁止する判決を下した。これにより、エボ・モラレス前大統領は25年の大統領選に立候補できなくなると12月30日付けCNNブラジル・サイトなど(1)(2)が報じている。
 23年9月、エボ・モラレス氏は25年大統領選への出馬を表明していた。今回の判決に対して同氏は自身のXに、「憲法裁判所の政治的判断は、政府が〝帝国〟(米国の比喩)の命令で、ボリビア右派と共謀して実行している行動に、一部の判事が加担していることの証拠である」と述べ、批判した。
 同氏はさらに「02年のように、新自由主義者(ネオリベラル、保守)たちは団結して、社会主義を求める運動を政治から、さらには物理的にさえ追放、排除しようとしている」と述べた。
 ただし裁判所によれば、大統領や副大統領を同じ人物が務め続けて権力を強めすぎることを防ぐため、合計2回以上の任期を務めることはできないと判断し、この決定に対する異議申し立ては認められないと述べた。
 エボ・モラレス氏は左派政治家として同国大統領を06〜19年まで4期にわたって務めた。先住民族アイマラ族出身の元農業労働者で、天然ガスや鉱物資源などの国有化、先住民権利の強化、貧困削減など、社会主義的な政策を推進してきた。
 同氏の政権は国内で一定の支持を受けたが、一方で批判も強く、19年には選挙において不正疑惑が浮上。同氏は再選を果たしましたものの、抗議活動が激化して最終的に辞任に追い込まれた。
 その後はメキシコを経てアルゼンチンに亡命し、20年にボリビアに帰国し、政治的な活動を続けている。

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