《ブラジル》アウキミン自らがPSB入党を宣言=ルーラとの出馬決定的に=サンパウロ州での基盤を強固に

アウキミン氏の入党宣言(Twitter)

 ジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事本人が18日、ブラジル社会党(PSB)に入党することを正式に宣言した。これにより、ルーラ元大統領(労働者党・PT)の副候補としてのシャッパ(連記式名簿)が決定的になった。19〜21日付現地紙、サイトが報じている。
 アウキミン氏のPSB入党は、自身がツイッターで自ら宣言した。このツイートでアウキミン氏は、「変革の時がきた。長い対話の末、私はPSBに入ることに決めた。時は今、大きな視野での政治と公的精神、団結を求めている」とのメッセージを添え、決意を示した。
 その声明は、「ブラジルを諦めない」という自身のキャンペーン・ポスターのような写真と共に公表された。この言葉は2014年の大統領選の最中に飛行機事故死したPSBの大統領候補で、創立一族でもあったエドゥアルド・カンポス氏がキャンペーンに使っていたもの。PSBに対する忠誠を改めて誓った形となった。
 アウキミン氏のPSB入りは、PSB側も早くから望んでいた。だが、同党が9日にPTとの連立(フェデラソン)を行わないことにしたため、アウキミン氏がPTとのフェデラソン政党である緑の党(PV)と接触するなどしたため、どう転ぶかわからなくなっていた。
 これにより、ルーラ氏とアウキミン氏という、2006年の大統領選の決選投票を争った者同士という、強力なシャッパの誕生が決定的となっている。
ルーラ氏にとって、サンパウロ州知事を4期務めたアウキミン氏を副に迎えることは大票田であるサンパウロ州での基盤強化を意味する。クエスト社が行った最新の大統領選世論調査では、サンパウロ州でのルーラ氏の支持率は39%で、全国平均の46%より低い。
 そこに、世論調査によってはいまだに「サンパウロ州知事選の支持率1位」と発表するところがあるなど、地元では抜群の人気を誇るアウキミン氏を迎えることで、サンパウロ州、全国ともに25%の支持率だったボルソナロ大統領に差をつけたい気持ちがある。
 アウキミン氏に関しては、同氏が保守政党として知られる民主社会党(PSDB)に33年間在籍していたことで、左派からの反発も懸念されたが、現状ではそのことによる拒絶率も大きくない。
ヴェージャ誌の報道によると、アウキミン氏は軍政終了直後の1986年にサンパウロ州議だった頃、「進歩派から支持がある」として左派扱いを受け、軍部から調査を受けたという過去もあったとされている。今回、PSBに入党したのも、自身の副知事として同党のマルシオ・フランサ氏をつけていたためで、左派との接点はかねてから見せていた。
 ただ、ルーラ氏とアウキミン氏とのシャッパが決まっても、PTとPSBはフェデラソンを組まないという変則的な形は続く。その理由は、サンパウロ州をはじめとして幾つかの州での知事選で両党の折り合いがつかなかったことと、フェデラソンの拘束期間は4年間で、2年後の市長選での利害関係が合わなくなることを恐れたからだ。

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