【2024年新年特集号】気候変動=8割が懸念、7割に影響=温暖化加速ますます顕著

森林伐採減少も、まだ高水準の法定アマゾン(©Policia Federal/Agencia Brasil)

 2023年はスーパーエルニーニョ現象などで、アマゾニア州やバイア州などの北部・北東部では干ばつ、リオ・グランデ・ド・スルやサンタカタリーナ、ミナスなどの南部、南東部では風水害と、例年以上の自然災害が続いた。これを受け、10人に8人が気候変動を心配しているとか、10人に7人は異常気象に見舞われたといった調査報道が続いた。

 11月27日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、ボチカリオ・グループ財団が行った「自然と都市:ブラジル人と気候変動の関係」調査により、国民の10人に8人は気候変動を案じており、64%は暴風雨を恐れていることが判明。異常気象が頻繁でより激しくなっていると感じている人も71%いた。
 0~10の評価で8以上となった影響は食品価格上昇8・8、動物や植物消失8・5、海水面上昇8・2、水不足8・1、電力危機8だった。異常気象の影響を受けた人は南部45%、南東部36%、北部34%、中西部32%、北東部29%だった。
 緑の多い町に住みたいは98%で、10人に9人は緑が少ないと暑いと感じるという。緑が減ってきていると思う人は86%、近所に公園などがない人も26%いた。
 必要なら生活習慣などを変えるつもりは87%、変えるつもりはないは19%だった。変えてみる気がある習慣は、ごみの分別やリサイクル24%、植樹15%、プラスチックの使用回避8%、大気汚染が少ない公共交通機関利用8%などだ。

南部で繰り返し起きた洪水の一例(©Denio Simoes/MIDR)

ポリス研究所によれば

 ポリス研究所が23年7月に行った調査では10人に7人が異常気象の影響を受けていたとの発表は、12月4日付アジェンシア・ブラジル(2)が報じた。
 国民への影響が大きかったのは、集中豪雨、干ばつ・水不足が各20%で、洪水や浸水被害18%がそれに続いた。以下、熱波10%、広域停電7%、サイクロンや暴風雨6%、森林火災や火災5%となっている。
 回答者の98%は全国規模の災害再発も懸念している。最も心配なことは水不足や干ばつ34%で、洪水や浸水23%がそれに続く。以下、山火事や火災18%、集中豪雨17%、熱波16%、地滑り14%、食料不足と飢餓14%、サイクロンと暴風雨13%、新たな衛生上のパンデミック13%となっている。
 懸念の度合いには社会格差や地域格差があった。一例はサイクロンや暴風への懸念で、全国平均の13%に対し、南部は29%だった。洪水や浸水への懸念はⅮ、Eクラスが25%だったのに対して、A、Bクラスは19%だった。
 再生可能なエネルギーへの転換支持者は84%で、73%は石油が気候変動を悪化させる直接的要因と考えていたのと好対照だ。石炭や化石ガスは72%と67%だった。
 ポリス研究所事務局長のエンリケ・フロタ氏は、この結果は、政府が非再生可能資源への投資を主張するほど政治的コストが増大することを意味すると強調。「伯人は再生可能資源への優先投資を望んでおり、これが気候変動と闘うための基礎だと理解していることを示している」と述べた。

スーパーエルニーニョ現象で生じたサイクロンの上空写真(12月6日付オリャール・ディジタルの記事の一部)

温暖化は止まらず

 気候変動が世界大の重要課題であることは、23年11月の気温は産業革命前を2度上回り、6月以降の6カ月間、史上最高を更新し続けており、23年は観測史上、最も暑い年となるとの研究結果(12月6日付G1サイトなど(3)(4)参照)からも明らかだ。
 国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)では12月5日、23年の二酸化炭素排出量は過去最高の4090万トンとなる見込みで、2015年のパリ協定で決めた、気温上昇を産業革命前の1・5度以内に収めるという目標は7年しかもたないとの研究結果が発表された(12月5日付アジェンシア・ブラジル(5)参照)。昨年の予測では9年だったから、温暖化は加速している。これによると、26カ国は二酸化炭素排出量を減らしたが、全体ではインド8・2%増や中国4%増のように増加中で、対策を強化する必要がある。
 オックスフォード大学の研究では、伯国の温室効果ガス排出量ゼロ化には合法な森林伐採もゼロ化する必要があることは12月5日付アジェンシア・ブラジル(9)が報じ、11月26日付アジェンシア・ブラジル(10)は、23年の法定アマゾンでの森林伐採は前年比で22%減ったが、パリ協定順守には他の植生での伐採削減も必須と報じた。
 気候変動抑制の必要を説く報告書は財務、環境、農務、鉱山動力などの各省にも配布済みで、法定アマゾンでの不法伐採や金などの不法採掘摘発や環境を配慮した政策推進は継続・強化される見込みだ。

リオ市やサントス市は海面上昇の影響を受けると報じる11月29日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

(1)https://agenciabrasil.ebc.com.br/geral/noticia/2023-11/oito-em-cada-10-brasileiros-se-preocupam-com-mudancas-climaticas 27日

(2)https://agenciabrasil.ebc.com.br/geral/noticia/2023-12/sete-em-cada10-brasileiros-sofreram-com-eventos-clim%C3%A1ticos-extremos 4日

(3)https://g1.globo.com/meio-ambiente/noticia/2023/12/06/com-novembro-2023-tem-o-6o-mes-consecutivo-a-quebrar-um-recorde-historico-de-calor-diz-observatorio.ghtml

(4)https://agenciabrasil.ebc.com.br/internacional/noticia/2023-12/2023-sera-ano-mais-quente-ja-registrado-dizem-cientistas-da-ue 6日

(5)https://agenciabrasil.ebc.com.br/internacional/noticia/2023-12/relatorio-do-clima-diz-que-meta-de-15oc-pode-ser-superada-em-7-anos 5日

(6)https://agenciabrasil.ebc.com.br/geral/noticia/2023-11/rio-e-santos-podem-ter-areas-invadidas-pelo-mar-ate-2059 11月29日

(7)https://agenciabrasil.ebc.com.br/internacional/noticia/2023-11/geleiras-do-peru-foram-dizimadas-por-mudancas-climaticas 11月23日

(8)https://olhardigital.com.br/2023/12/06/ciencia-e-espaco/super-el-nino-chuvas-e-tempestades-nas-proximas-semanas/

(9)https://agenciabrasil.ebc.com.br/internacional/noticia/2023-12/estudo-quer-fim-do-desmatamento-legal-para-zerar-gases-estufa-no-pais 5日

(10)https://agenciabrasil.ebc.com.br/geral/noticia/2023-11/cumprimento-do-acordo-de-paris-vai-alem-da-amazonia-diz-relatorio 11月26日

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