セントロン=下院での政権支持が向上=予算割当と役職提供が鍵

ルーラ政権が提案する法案への議会での支持率は、セントロン政党への割当金支払いと閣僚職提供をした7月以降に安定的に上昇(14日付ポデール360の記事の一部)
ルーラ政権が提案する法案への議会での支持率は、セントロン政党への割当金支払いと閣僚職提供をした7月以降に安定的に上昇(14日付ポデール360の記事の一部)

 ルーラ大統領率いる連邦政府と下院の関係は、議員割り当て金の開放を加速化し、中道勢力のセントロンに閣僚職を提供した後に改善した。政府は政治的な支持基盤を固めるために戦略的な措置を講じ、政権支持率を引き上げていると、14日付ポデール360(1)が報じている。
 この報告は同紙が行った初の調査に基づいている。同調査は下院の公開データを使用し、今年1月1日〜12月11日までに下議が行った10万票以上の投票内容を政党毎に分析し、下院で行われた283件の指導に関し、政府が望んだ内容で投票した数を集計。これによって、政府の意向に沿う投票を行った場合は政府を支持したと判断し、政権支持率の推移を日毎に明示した。この分析により、政府と各政党の協力や不一致が時間の経過とともにどのように変化したかが把握できる。
 連邦政府は現在も税制改革の最終段階や24年度予算案、商品流通サービス税(ICMS)の補助金に関する法令等、経済に関する重要案件を進展させるために、引き続き各政党との交渉を行っている。一例は11日と12日には下議と上議が要請していた100億レアルの議員割り当て金の支払いで、2日間の支払額としては過去最高となった。
 例えば、13日に承認された高校中退を防ぐための奨学金支払いのための資金を社会基金から調達する件では、ウニオン・ブラジルから45票、共和者から28票を獲得した。この件では、連立政党の中では忠誠心の低い党の投票が重要な役割を果たした。
 同調査によると、議員割り当て金の支払いが増え、セントロンからの入閣が増えた下半期の政権支持率は、上半期の65・1%を大幅に上回る75・4%に上昇した。特に注目されるのは「時折同盟政党」で、支持率は上下を繰り返す傾向がある。これは主に議員割り当て金や役職提供に基づくインセンティブによるもので、これらの党は好条件の時は政府に対する支持を表明する。一方、保守派政党による支持率は限定されている。
 だが、ウニオン・ブラジルなどの一部の党は、政府に対して最も不忠実な「時折同盟政党」でありながら、多くの投票を提供している。これは各党の議席数の違いによるもので、同党はその中でも特に注目すべき例だ。また、下院で最大の議席を有する自由党(PL)は、野党でありながら政府の提案に対して重要な票を提供している。PLはボルソナロ前大統領が所属する政党だが、この状況は同党が独自の政治的な立場を維持していることを示している。
 他方、労働者党(PT)を筆頭に、ブラジル共産党(PCdoB)、緑の党(PV)、ブラジル社会党(PSB)、民主労働党(PDT)は政府に対して常に忠実で、支持率は90%を超えている。ただ、これらの党は議席が少ないため、政府プロジェクトへの寄与は相対的に限定的であった。

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