「dorama」か「drama」か?=ブラジル文学アカデミー投稿で議論沸騰

ABL公式インスタグラムの投稿(現在は韓国人俳優の写真は削除されている)(25日付テラ・サイトの記事の一部)
ABL公式インスタグラムの投稿(現在は韓国人俳優の写真は削除されている)(25日付テラ・サイトの記事の一部)

 ブラジル文学アカデミー(ABL)の公式インスタグラムに投稿された内容が、韓国ドラマファンの間で波紋を呼んでいる。同団体がポルトガル語の新語として「dorama」を「アジア作品の総称」と定義したことが、韓国など他国を無視しているとして議論を巻き起こしている。25日付テラ・サイト(1)が報じている。
 23日付のこの投稿には、26日時点で1万1900件の「いいね!」と600件近いコメントが寄せられた。同団体の通常の投稿では1千件を超える「いいね!」がつくことは珍しく、反響の大きさが伺える。
 テレビなどの連続ドラマを指す「ドラマ」は、ポルトガル語なら「drama」であり、「dorama」は日本語カタカナのローマ字表記に由来している。元々は日系人が好む日本のテレビドラマを指す用語として広まった。
 ところがABLは、doramaを「東アジアおよび東南アジアで、一般的に現地キャスト・言語で制作された、様々なジャンルやテーマを持つシリーズ形式のフィクションの視聴覚作品」と定義した。
 説明文の中で、「『dorama』は1950年代に日本で生まれ、その後他のアジア諸国に広がり、地域ごとに独自の文化的特徴を獲得した。制作国を識別するため、英語による国名表記に基づき、「J-drama(日本のドラマ)」、「K-drama(韓国のドラマ)」、「C-drama(中国のドラマ)などと表される」と述べている。
 そのため、この投稿は韓国ドラマのファンから批判を受けた。「dorama」は日本起源の言葉であるため、他のアジア諸国の作品や文化的な違いを無視する結果になるとして、包括的な用語として使うべきではない、という主張だ。
 あるユーザーは「ABL、そうじゃないんだよ。この言葉を日本以外の国に使うことの問題点を知っているはずだ。完全な誤用だ」と書き込み、またあるユーザーは「この定義は私たち韓国人を冒涜するものであり、これはまるでマラドーナのチームでペレについて話しているようなもの」とコメントした。
 一方、ABLを擁護し、アジアの作品がブラジルの一般大衆によりよく受け入れられている事実を喜ぶ人々もいる。「言葉は生きていて、時間の経過とともに特定のコミュニティや国、地域にとって新しい意味や感覚を持つようになる。すでに数えきれないほどの外来語がポルトガル語になっている」との意見も見られた。
 韓国映画やシリーズを専門に扱うウェブサイト「Coreanismo(韓国主義)」を運営するマヌ・ジェリーノ氏は、ABLが「dorama」という用語を取り上げることは、韓国作品の影響力を高め、米国映画やテレビ番組の優位性を減少させる第一歩であると述べる。
 ジェリーノ氏は、同団体はこの用語を扱うための歴史的な知識が不足しており、「20世紀の前半まで日本が朝鮮を侵略し、植民地化に伴うあらゆる暴力を行使した」「韓国語の使用を禁止し、日本名に変更するよう強制した。だから今日、日本の言葉を韓国のものとして使用することは、当時の暴力の記憶を呼び起こすことになる」と意見した。

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