学校襲撃犯は16歳の少年=軍警の父の銃を無断で使用=エスピリトサント銃乱射事件

少年が使った銃や着衣(28日付G1サイトの記事の一部)
少年が使った銃や弾丸(28日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】ブラジル南東部エスピリトサント州アラクルスで25日朝に起きた、州立校と私立校での銃乱射事件は、軍警の息子で16歳の少年が2年前から計画していた事が判明。死者は4人に増え、28日現在も3人が重体で集中治療室に入院中と26~28日付G1サイトなどが報じた。
 市警が28日に行った記者会見では、少年は犯行後、自宅に戻って銃などをしまうと、素知らぬ顔で昼食を取り、両親と共に海の家に行ったという。
 事件が起きたのは25日午後9時半頃で、覆面姿で州立プリモ・ビッチ校に侵入した少年が教員室などで銃を乱射。教員室では最初に込めてあった弾が切れると、一度外に出て弾を込め直し、再び乱射したという。
 また、校門の前に停めてあった車で同地区内にある私立の海岸教育センターに向かい、ここでも銃を乱射し、車で逃げた。
 警察によると、少年が使った銃は、軍警の父親が個人的に所持していたものと仕事で使っていたものの2丁で、一方は両親の寝室にある錠のかかる箱の中、もう一方も引き出しの中の服の下に隠してあったという。
 少年は事件後、銃や犯行時の衣服を両親に気づかれないようにしまうと、普段と変わらない様子で食事をしたとされている。また、父親が帰宅し、事件の事を話しても、素振りは変わらなかったという。
 少年はその後、両親と共に海の家に行き、そこで身柄を拘束された。また、銃や着衣をしまった場所を警官に教えたのも本人で、悪びれたりする様子はなかったという。
 少年は6月までプリモ・ビッチ校で学んでおり、母親も同校の教師だった。少年は事件は2年前から計画していたとし、銃の扱いはインターネットなどで覚え、自分一人での犯行であり、特別に狙った人物はおらず、無作為に撃ったなどと供述しているという。
 警察は少年が銃の保管場所を知るに至った経緯や動機、銃の扱い方や車の運転を身につけた方法、父親や第3者の関与の有無、服についていたナチス崇拝者である事を示す紋章と犯行との関連などの捜査を続ける意向だ。父親も軍警内での捜査対象となっている。
 なお、死亡したセレナ・サグリロさん(12、教育センターの生徒)とプリモ・ビッチ校教師のマリア・ダ・ペーニャ・ペレイラ・デ・メロ・バーニョ氏(48)は26日の午後、埋葬された。プリモ・ビッチ校教師のシベレ・パッソス・ベゼラ氏(45)の家族は、遺体を火葬にし、郷里のペルナンブコ州に灰を運ぶという。
 26日に亡くなったプリモ・ビッチ校教師のフラヴィア・アンボス・メルソン・レイナルド氏は27日に埋葬された。
 この事件では負傷者も12人出ており、28日現在も45歳と52歳の女性と14歳の女子生徒が重体で集中治療室に入院している。

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