《ブラジル》二重感染フルロナが増加=リオは道のカーニバル中止=クルーズ船も運航停止決める

新型コロナの感染検査の様子(Roque de Sa/Agencia Brasil)

 【既報関連】新型コロナとインフルエンザの二重感染「フルロナ」の急増を受け、サンパウロ市保健局が二重検査体制強化を発表した。また、オミクロン株の感染拡大などで、リオ市が「道のカーニバル」を中止したと4~5日付現地紙、サイトが報じた。
 3日に発表されたリオ市の二重感染者(16歳)は12月29日に風邪様の症状が出て、翌30日に私立のラボラトリーで検査を受けたところ、二重感染が判明したという。
 ブラジルでのフルロナが大きく取り上げられたのは3日だが、4日にはサンパウロ市では2020年以降に24件、サンパウロ州では21年以降で110件のフルロナ報告例がある事も明らかにされ、5日にはマット・グロッソ・ド・スル州でも6例が確認された。
 保健省は入院が必要な重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)だけを報告義務の対象としており、実際のフルロナはより頻繁に起きていた可能性が高い。
 専門家は、私立のラボラトリーだと複数のウイルスへの感染も同時に確認できるが、公立施設では別々に検査する必要がある上、新型コロナの流行中は新型コロナと診断された時点でインフルエンザの検査は止めてしまう事が多く、二重感染に気づかなかった人も多いはずと見ている。

 なお、サンパウロ市保健局は5日、保健所は風邪様の症状の患者に新型コロナとインフルエンザの検査を行うと発表。エジソン・アパレシド保健局長は、「二重検査は何がどの位広がっているかを知り、必要な対策を講じるために不可欠」としている。
 サンパウロ市では新型コロナの感染者が10日間で30%増加。12月第1週は5%だったオミクロン株の感染者も52%に達している。
 新型コロナ感染者とインフルエンザ感染者の増加は全国的な傾向で、4日にはリオ市が道のカーニバル中止を決めた。サンパウロ市は6日に道のカーニバル開催の可否を決める。サルバドールなどはカーニバル自体の開催を中止したが、リオ市とサンパウロ市はサンボードロモでのパレードは行う予定だ。
 なお、800人超の感染者発生を受け、クルーズ船運営会社協会は3日、少なくとも21日までのクルーズ船の運航停止を決定。既に支払いを終えた客への払い戻しや別便への振り替えを保証する意向も表明している。

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