《ブラジル》幼年者への接種で公開協議=直前の会合は反対派のみ=恐怖心を抱き続ける子供達

公開協議について報じる22日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 【既報関連】国家衛生監督庁(Anvisa)が5~11歳児向けの新型コロナのワクチン接種を認めてから1週間後の23日、子供へのワクチン接種で公開協議(Consulta Publica)開始と22、23日付現地紙、サイトが報じた。
 幼年者への新型コロナの予防接種問題はAnvisa関係者への脅迫で警察沙汰にもなっているが、子供への接種は国内の主要機関も推奨している。
 一例は、ケイロガ保健相が名指しした保健省の諮問機関、免疫化の技術諮問会(CTAI)だ。CTAIは以前から子供への接種に肯定的で、17日も全会一致で幼年者も国家予防接種計画に組み込む事を推奨した。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)も21日、コロナワクチンの接種ペースが落ちており、遠隔地と子供への接種が集団免疫形成の鍵との研究結果を発表している。
 それによると、9月以降は初回接種を受ける人が減り、10月8日以降は0・8%/日しか増えていない。これは12歳以上の85%、人口の75%が初回接種を受けたためだが、集団免疫の形成には人口の85%が接種を受ける必要があるのに、接種完了者は66・71%のみだ。

 だが、オミクロン株出現後、2回(ヤンセン社製は1回)の接種だけでは感染抑制効果が低く、補強接種が必要との認識が浸透。保健省も免疫力が特に低い人への4度目の接種を認めた。
 だが、欧米諸国などは子供への接種を進めているのに、ボルソナロ大統領や支持者は子供への接種に反対し続けており、保健省は子供用ワクチンの手配さえしていない。
 保健省のマイラ・ピニェイロ局長(通称クロロキン隊長)は21日、「政治的、商業的な策略にのり、子供達をモルモットにするな」との文書を流し、大統領から賞賛された。
 公開協議は1月2日までで、保健省は4日の会議後、子供への接種を行うかを決める。Anvisaが使用を認めた薬剤での公開協議は初めてで、大統領の意向を汲んだ時間稼ぎとの声が出ている。
 この事は、公開協議開始前の20日に開かれた会議の参加者が早期治療用医薬品キットの推奨者や子供への接種反対派だけだった事でも明らかだ。
 リオ市では補強接種終了者に地下鉄の無料利用を認めるなど、各自治体が様々な接種促進策がとっているが、子供への接種は足踏み状態が続いている。

最新記事