《サンパウロ》州政府が高校生援助の対象拡大=知事選の4日前に発表

ガルシア知事(Governo de Sao Paulo)

 28日、サンパウロ州立高校の生徒への援助金支給対象が拡大された。ロドリゴ・ガルシア知事(民主社会党・PSDB)が知事選を4日前に控えた状況で知事令を出した。28日付現地サイトが報じている。
 これはサンパウロ州政府が28日付官報で発表したものだ。それによると、援助金を受ける資格が、家族1人当たりの世帯収入が178レアル未満の人から、210レアル未満の人までに拡大された。
 これは昨年8月に当時のジョアン・ドリア知事の時代に作られた援助金を拡大したものだ。高校生を対象としたもので、対象となる生徒には100レアルずつ10回払いで計1千レアルの援助を行うものだ。
 この背後には、州内の高校生のポ語や数学の学力がコロナ禍前より落ちていること、多くの家庭で貧困から生徒たちが通学を断念せざるをえない状況が増えていることがある。その状況はパンデミックでさらに悪化していた。
 この支援制度を作った頃、サンパウロ州政府側は約30万人が応募してくると見込んでいたが、蓋を開けてみると、今年6月現在で13万2734人が受給するにとどまっていた。
 この援助金の支給が振るわない理由を、州は受給条件の難しさだと受け止めている。このプログラムの受給者には、8割以上授業に出席していることに加え、州の経営するメディア・センターが流すオンライン・プログラムを最低2時間受けることが義務付けられていた。今回はオンライン・プログラムの義務が解除された。
 今回の知事令は知事選を4日前に控えた時点で発行された。ガルシア氏は現在、サンパウロ州知事選において、フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)やタルシジオ・デ・フレイタス氏(共和者・RP)に次ぐ3位で、現在追い上げている状態だ。
 官報によると、受給申請は10月16日が締め切りで、支給期間は今年いっぱいとなっている。

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