《記者コラム》未来の政界への種まき=大統領選に積極出馬を

テベテ氏(上院公式)
テベテ氏(上院公式)

 4月を過ぎて、大統領選をめぐる各党の動きがより本格的になってきた。選挙戦はルーラ、ボルソナロ両候補の2強争い状態となっているが、ブラジル・メディアは「第3の候補」の登場を望み、それを演出しようとしているように見える。
 現在、ウニオン、民主運動(MDB)、民主社会党(PSDB)の3党が連立を組んで候補者を擁立しようとしている。この動きを大手伯字紙が連日盛んに報じている。
 しかし、この報道が一般大衆に響いているようには見えない。どんなにメディアが煽ったところでボルソナロ氏とルーラ氏による「極右対左派」の図式が崩れるとは思い難く、むしろ「マスコミと財界が望んだ候補」という印象を大衆に持たれるだけだ。
 だからと言って、始めからルーラ氏とボルソナロ氏の2人に絞った選挙戦は行われるべきではない。国民の注目が集まる大統領選には、選挙以降の政界を担う有意な政治家の存在を世間に知らせる役目もあるからだ。
 2強争いになることがほぼ決まっている今選挙においては、無理に「対抗馬候補」を作るのではなく、次回26年大統領選に向けた「種をまくための候補」作りを期待したい。
 その点から観れば、大統領候補は沢山いたほうが良い。どんなに支持率が低かろうと、シモーネ・テベテ氏(MDB)や、エドゥアルド・レイテ氏(PSDB)の様に出馬すればいいのだ。
 彼女らのような全国的に名が知られていない政治家も、候補者討論会で視聴者の注目を集めるような言動ができれば、今後の政界の一角を担う機会を掴むことが出来る。
 テベテ氏やレイテ氏の支持者が現状で低支持率ながら出馬を諦めていないのは、その計算が頭にあるからだろう。テベテ氏は連邦議員きっての弁論上手で、数少ない女性候補という強みがある。レイテ氏には36歳の若さ、甘いマスク、同性愛者といった若い有権者を引きつける魅力がある。「今、勝つ」のではなく「未来の勝利」のために経験を積ませる意義はある。
 選挙戦支持率3位のシロ・ゴメス氏は、過去3度の大統領選出馬で、すでに世間にはお馴染みの存在となっている。前回大統領選でルーラ氏の代理として出馬したハダジ氏も、大統領選での健闘ぶりから、聖州知事選世論調査で支持率1位となっている。
 勝てずとも、選挙で善戦することで政治家は育つのだ。各政党にはより積極的な候補者擁立を期待したい。(陽)

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