
関西大阪万博のブラジル館監修を担当した舞台美術家のビア・レッサ氏構想による電子書籍『記録』の出版記念イベントが6月25日に開催された。内容は、ブラジル館のカタログのようなもの。『記録』日本語版はサイト(https://linktr.ee/brazilpavilionexpo25)から閲覧できる。
『記録』の第1部にはブラジル館の展示作品に関する資料(展示プロジェクト、物語構成、企画趣旨文など)を収録。第2部は記録自体で、ブラジル館のコンテンツのインスピレーションとなった文学作品、学術論文や新聞記事などの抜粋、美術作品の画像、映画のシーン、ジャーナリズムの画像などが掲載されている。

ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)のジョルジェ・ヴィアナ長官も出版記念イベントに出席し、「ビア・レッサはブラジルの偉大なアーティストだ。彼女は2000年のハノーバー万博でもブラジル館の監修を務めた。『記録』はブラジル館と同様に、ブラジルの課題と希望を一つにまとめている」と語った。
ヴィアナ長官は「今年の万博は戦争を経験した国で行われています。私は広島を訪れましたが、平和は殺戮や戦争によって築かれるものではありません」と強調した。ビア・レッサ氏は本書に声明を掲載し、「人類が直面する課題の大部分を、ブラジルが何らかの形で抱えていることを考えると、ブラジルは世界にとっての、そして世界のための類まれな実験室であると言える。この意味で、今こそ、ブラジルの使命について深く考えることが必要であり、かつ緊急であると思う」と述べている。