《サンパウロ市》コロナを克服した高齢女性=娘と共にパラシュートに挑戦

空中でのマリーナさんとファビオ氏(13日付コレイオ・デ・カラジャス・サイトの記事の一部)

 サンパウロ市に住み、新型コロナ感染症を克服したという80歳女性が、娘と共にパラシュートで飛び、感染症からの回復1周年を祝ったと12日G1サイトなどが報じた。
 新型コロナを克服した事を特別な方法で祝いたいと考えたのは、サンパウロ市在住で80歳のマリーナ・チコミロフさんだ。マリーナさんは、退院許可が出てからほぼ1年となる11日、53歳の娘のアナさんと共にサンパウロ州ボイツーヴァに赴き、パラシュートでの旅に挑戦した。
 二人はこの日、サンパウロ市から約120キロ先のボイツーヴァまで出かけた上で、インストラクターと共に小型機に乗り込むと、3600メートルの上空から飛び降りた。
 マリーナさんは満面の笑みを浮かべて飛び立ち、夢がかなった喜びを表した上、投げキッスなどでアドレナリンの高まりも表現。地上に降り立った後も、「とってもきれいだったわ。鳥が羽ばたくように腕を動かしていたら、本当に空を飛んでいるように感じたわ」と興奮を隠さなかった。
 マリーナさんに続いて飛び立った娘のアナさんは、地上に降り立つとすぐ、マリーナさんに駆け寄って母親を抱擁し、喜びを分かち合った。
 この日の経験は、インストラクターのフェビオ・ポンボ氏にとっても、「生涯忘れられない特別なもの」となったという。

飛行を終えたマリーナさんとアナさん(12日付G1サイトの記事の一部)

 マリーナさんは新型コロナに感染し、点滴や機械につながれる経験を2度繰り返した。入院期間は33日間に及び、退院する時は車椅子を使用。長期にわたる入院で筋肉が落ちたために自分の足で立てないほど筋力が衰えていた。そのためマリーナさん自身、自分の足で歩ける日はもう来ないとまで思っていたという。
 だが、その後は順調に回復し、新型コロナ克服を特別な方法で祝いたいと考えた。昨年はまだ感染が続いていた事や、マリーナさんの年齢などを考えたアナさんが医師の意向を確認したところ、パラシュートに挑戦する事が快諾され、今回の記念飛行となったという。今回の挑戦を支援した会社の所有者も、「冒険を行う事に年齢制限なぞない」と明言している。

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